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2017年12月15日

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小川たまか (おがわ・たまか)

フリーライター

1980年東京生まれ。教育、働き方、性暴力などを取材。『「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。』(2018年/タバブックス)。Yahoo!個人「小川たまかのたまたま生きてる」(https://news.yahoo.co.jp/byline/ogawatamaka/)などで執筆。Twitter:@ogawatam

プログラミングはゲーム好きな子の「絵筆」

――子どもの頃から覚えさせれば苦手意識が生まれづらいと思うのかもしれません。

おおた:ただ、早く始めればいいことばっかりかっていうと、そうではない。小学校2年生の時点で英語嫌いって言ってる子いますからね。(嫌いになるタイミングが)今までは中1だったのが、早くなるだけという……。

――プログラミングについては、親世代の子ども時代にはなかったこと。「これからの時代には……」という気持ちが働くのかもしれません。

おおた:プログラミングは新しい選択肢のひとつですが、プログラミングのスキルそのものが絶対に必要かといえばそうではないと思います。技術の進化は速く、変化が大きいので今生まれる赤ちゃんが大人になる頃には、プログラミングという概念自体がなくなっているかもしれません。プログラミングの習いごとを通じて、物事に取り組む際の「段取り力」を養えるということはありますが、段取り力は学校行事など日常でも学ぶことができます。また、ゲーム好きな子にとっての「絵筆」ではあると思います。

――絵筆とは。

おおた:これまで絵が上手い子は絵で、文章が上手い子は文章で表現できました。これまでゲームばかりやってた子は「ゲームなんてやめて勉強しなさい」とばかり言われていたけれど、彼らがゲームで遊ぶことを通して得た世界観を、自分の手で表現できるようになった。その手段がプログラミングです。

――自分でゲームを作ることができる。

おおた:はい。ゲームをやりこんでいる子は今までだったら「ダメな子」「オタク」だったかもしれないけれど、彼らはものすごく引き出しを持っているんですよね。今どきのゲームの世界観って、下手なテレビ番組を見ているよりもよっぽど勉強になると思います。そして、プログラミングを学んでもゲームをやったことがなければゲームを作れませんよね。彼らは経験値をすごく活かせると思います。

――『習い事狂騒曲』では、子どもが楽しみながらプログラミング教室に通っているケースも紹介されています。英語もプログラミングも、焦って今からやらせる必要は全然ないけれど、本人が楽しんでいるならアリだし、意味があるってことですね。

おおた:はい。実際に有名私立高校に取材に行ったとき、プログラミング教育を選択している男子がいたんですね。「なぜやろうって思ったの?」と聞いたら、「お母さんからゲームばかりやってるって怒られるから、それなら作ってやろうと思った」って。「それはすごく正しいと思うよ」って言いましたね。

――ゲームの世界観が素晴らしいというのはその通りだと思います。スケールが壮大だったり、キャラクターが作り込まれていたり。

おおた:昔は漫画も悪者だったけれど、今は一つの文化になりました。ゲームもそうで、作り手に回るっていうことではすごく重要だから、その意味ではすごく期待していますけどね。

最近の子どもには反抗期がない

――最初に出た「現代の親は昔よりも子どもに求めるものが多くなっている」という話に戻りますが、子どもの側は、昔と比べて変化はありますか?

おおた:昔に比べたら真面目ですね。最近の大学の先生はみんな言いますよ、今の学生は真面目って。僕らの頃、大学は遊びに行くところって疑っていませんでしたが、今は違う。

――流行が変わっただけなのかもしれませんが、一昔前のように制服を着崩したり髪をすごい色に染めたりしている高校生は少なくなった印象があります。

おおた:中高生の変化で言えば、あからさまなのが減っていますね。あと学校の先生たちが言うのは、「反抗期がなくなって、母子密着、父子密着」。親と密着していて、仲が良すぎて気持ち悪いと。そして、真面目で親とも仲が良いけれど、昔に比べたら学力は下がっている。

――えっ。なぜでしょう。

おおた:これ不思議なんです。私のテーマのひとつだけれど、まだ答えは出ていません。何がそうさせているのか、この先どうなるのか。いいことなのか悪いことなのかすらわからない。

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