世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2017年12月27日

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 ウォール・ストリート・ジャーナル紙が11月24日付けで「テロは休みをとらない。エジプトでの最もひどい攻撃はジハーディストの脅威の増大を示す」との社説を掲げ、テロへのさらなる警戒を呼び掛けています。要旨は次の通りです。

(iStock.com/Dave King/Andrzej Kwiatkowski/Thomas Northcut/ JuliarStudio/ zim286)

 シナイで死者235人以上になったモスクに対するテロ攻撃のあと、トランプ大統領は11月24日、エジプトのシシ大統領に電話し、ホワイトハウスはエジプト支持の声明を出した。攻撃は穏健なイスラムを実践するスーフィー教徒に対するもので、特に邪悪であった。エジプトにおけるテロとしては犠牲者数で最大であった。

 トランプはこの事件を使い、我々には「壁が必要、移民禁止が必要」とツイートした。しかしシナイでの攻撃は、おそらく「イスラム国」に感化された地元のジハーディストによるものであって、メキシコの国境や空港にいる移民は何の関係もない、

 ムスリムが引き続きイスラム・テロリズムの主たる標的であることをこれは示している。シシ大統領がエジプト国内でのジハーディストの脅威を潰すことからほど遠い事を示している。権威主義的支配はジハーディズムに対する成功を保証しない。シシ大統領自身、2013年にムスリム同胞団を政権の座から引きずり降ろし、特別の標的になっている。

 米は情報面などで助けられるが、シシはテロリストを敗北させるとともに、エジプトの市民社会と政治をより開放的にし、ジハード応募者を減少させるべきだろう。

 11月22日、パキスタンの裁判所は2008年のムンバイ・テロ(死者166名)の首謀者と告発されていたハフィズ・サイードを自宅軟禁から釈放した。米国務省は深刻な懸念を表明、パキスタン政府に彼の逮捕、起訴を求めた。トランプもティラーソンもパキスタンにテロとの戦いでの協力を求めてきたが、これは米の影響力のテストである。

 シリアとイラクで「イスラム国」に勝利したことは歓迎されるが、ジハーディストの脅威は世界中で進化している。これは米国とメキシコとの間の壁では敗北させられない。

出典:‘Terrorism Takes No Holiday’(Wall Street Journal, November 24, 2017)
https://www.wsj.com/articles/terrorism-takes-no-holiday-1511560967

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