家電口論

2018年1月13日

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多賀一晃 (たが・かずあき)

生活家電.com主宰

スマート家電グランプリ審査員。主催する『生活家電.com』を通じ、家電の新製品情報、使いこなし情報他を発信中。過去、某メーカーでAVメディアの商品企画を担当、オーディオ、光ディスクにも精通。また米・食味鑑定士の資格を有する。水、米、パン、珈琲、お茶の味に厳しい。

 「水と安全は日本ではタダ」と言われたのは、約60年前。今の東京では、空気にさえお金を支払った方がいい状態です。北京、ニューデリーの二大巨頭にははるかに及びませんが、東京の空気がキレイではないことは、WHOからも指摘されています。そんな時、便利なのが「空気清浄機」。確かにその通りなのですが、同時に幾つかの問題があります。特に大きなのが「設置」の問題です。

「どこに置くの?」

 時々、空調家電を作っているメーカーに聞くことがあります。それは「その新製品はどこに置く(設置する)の?」と言う質問です。空調家電というのは本当に多岐に渡ります。『エアコン』『扇風機』『サーキュレーター』『加湿機』『除湿器』『換気扇』そして『空気清浄機』。ちょっと笑ってしまいます。一言に空気と言っても「酸素・二酸化炭素量」「温度」「湿度」「風」そして「浮遊物質(花粉、PM2.5など)」の5つの課題が上げられ、それぞれ対応しなければなりません。

 昔、巨大な加湿機を出したメーカーに聞いたことがあります。

Q「どこに置くの?」
A「部屋の真ん中に。そう言う設計です」
Q「この間発表していた、空気清浄機も真ん中って言ってなかったっけ」
A「そうですね」
Q「どちらを優先させるの?」
A「お客様のニーズによって決めていただければ」

 確かにお客様次第なのですが、自社製品を並べたときに、場所の取り合いが起こるのは、やはり可笑しいモノです。しかも、エアコン以外は床置きですから、2台も置けば部屋が狭くなります。冬場、これに暖房機器を追加したら、人がいる場所がなくなるかもしれません。

天井に置こう

シャープ『天井空清」FP-AT3-W。2018年1月20日発売。オープン価格。

 日本は地震大国。万が一の時に、モノが落ちてこないように、高い所にはなるべくモノを設置しないようにします。が、天井に設置しなければならないモノもあります。「照明」です。
照明機器は、実は非常に優遇されている家電といえます。部屋の真ん中、しかも必ず電源が確保されています。コンセント競争がないだけでも、羨ましいと思う家電の設計者も多いのではないでしょうか? 逆に言うと、それだけ灯りは大切ということです。

 無線LANが普及始めた時、私が欲しかったのは、Wi-Fiの中継機を入れた照明です。部屋が複数ある場合は、Wi-Fi中継機は必要ですが、そのために場所を割き、コンセントを確保するのは腹立たしい気がしたからです。しかもデザインが好みでないと、よけいに腹が立ちます。また、中継機は目立たないように黒色が多いのですが、普通の生活で黒は割と目立ちます。

 電波もそうですが、目に見えないモノを扱う場合は、その家電自体も目に見えない方がいいです。空気も同じ事がいえます。天井に設置して、空気清浄機を意識せずに使う。非常にいい考えです。

天井設置での清浄効果は十分か? 

 が、疑問も出てきます。空気清浄機が濾過するのは空気中の浮遊物。吸込口が高い所にあっも 問題ないのでしょうか?花粉などの重いモノも吸い込むためには、吸込み口が地面に近いほうがベターなのではないでしょうか?

当日の煙の吸込実験。浮遊物質である煙が上側に集まり、吸い込まれていく様子。

 シャープの答えは、「天井でも床でも効果は変わらない。」でした。空気中を浮遊している浮遊物は、重力と浮遊する力が釣り合っています。浮遊する力は空気の重さで変わってきますが、空気は非常に軽く、高低差1〜2mで極端には変わりありません。つまり天井でも床でも、浮遊物は変わらないわけです。空気の取り入れ口が高い所にあっても、緩やかに吸ってやるだけで、空気はキレイというのがシャープの理論です。

 シャープの方も心得たもので、当日効果を実演して見せてくれました。上方にあるにもかかわらず、煙はみごとに吸い込まれていきました。 

 最終的(とは言っても、数時間レベル)に床に落ちるモノは重く、空気清浄機の吸込口の位置に関わらず床に落ちます。これをキレイに除去するには、掃除機を使うというわけです。

天井空清の中には、フィルターがぎっしり

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