使えない上司・使えない部下

2018年1月4日

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人は錯覚で動いている

西田文郎さん

 人間の脳は、前提条件でできていることを忘れてはいけない。「自分はこういう人間なのだ」「この分野では、自分は優秀であり、使える人材だ」と決めると、それを実現するように無意識のうちに行動をとります。他人から貼られたレッテルに反応し、自分をそのレッテルに適応させようとします。しだいに、周囲のデザイン通りの人になっていくのです。

 「自分は、こういう仕事ができるのだ」と決めるとき、その仕事ができるとか、できないは2の次です。まずは、「できる」と自分でデザインするべきです。自信がない人ははじめから、「俺はダメだ」「私にはできない」「自分は、使えない人」と思い込みます。そして、ダメであったような経験を拾い集めるのです。「自分はできる」と思った経験に乏しく、「できるようになる自分」を予感できないのでしょう。

 予感には、過去の裏付けがあります。成功を予感できる人の脳には、成功した記憶データがあるのです。「できない」と失敗を予感する人には、そのような記憶データがあるはずなのです。つまり、予感が現実をつくるのです。

 その人は、きちんと「できた経験」もしているはずなのです。しかし、「できなかった」という前提で脳が動くから、「できた経験」に意識が向かない。その意味では、人は錯覚で動いていると言えます。上手くいくためには、自分の脳を錯覚させるようにすればいいのです。

 私は、講演で「自分経営計画書」を書くようによく言っています。「これまでに、自分ができた仕事や自分がいいと思えることを20個書きなさい」と課題を出します。成功の記憶データを思い起こし、脳にインプットするようにするのです。今、仕事などで思い描いたようにいっていない人はなおさら、成功の記憶データを思い起こしてほしい。

 「自分経営計画書」を書いたら、それを実現するために「気、縁、運」を理解してほしい。金運、健康の運、仕事の運、配偶者に恵まれる運など、様々な運があります。運を獲得しようとするとき、まず、気に注意をすべきです。自分の心にあるエネルギーをプラスにするのです。「負けないぞ」「これを乗り越えるぞ」という気です。

 その気には、プラスのエネルギーを発している人が集まります。「よい縁」がしだいにできるようになります。やがてその縁には、「よい運」が訪れます。ツイている人になり、ついには成功を手にするのです。

 マイナス思考で「自分にはできない」という気を発している人と一緒にいると、同じような人との縁ができます。そして、不運とめぐり合うようになっているのです。

 最後に、参考になる例を紹介します。赤字会社の社長と黒字会社の社長を比べると、必死に努力をしているのは赤字会社のほうです。会社員でも同じことが言えます。プロ野球の2軍やJリーグのサテライトを見ると、選手は必死に練習をしています。しかし、努力しても努力をしても、はい上がれないのです。

 そのような人を見てきて、つくづく思います。ツキのない人の努力は、決して開花しません。ツキのない人は、いずれ努力をすることに疲れます。運のない人は不運を美化し、ますます不運になっていくのです。

 努力することを私は否定しませんが、ツキや運は、自分の努力ではつかむことができないのです。人が与えてくれるものなのです。

  
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