中東を読み解く

2018年1月7日

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決断迫られるトランプ大統領

 ハメネイ師は「デモの背後に外国の敵がいる」と非難、モンタゼリ検事総長も「イラン転覆計画を画策したのは米中央情報局(CIA)のイラン作戦の責任者マイケル・ダンドリアだ」と米国の関与を示唆している。

 実際に米国が今回の騒乱に介在したかどうかは全く不明だが、明らかにトランプ大統領はデモ発生当初からイラン情勢を注視し、マクマスター国家安全保障担当補佐官から詳細な報告を受けていたことは間違いない。大統領はデモが始まった時には、クリスマス休暇でフロリダの別荘「マール・ア・ラーゴ」に滞在していたが、この別荘から、またワシントンに戻ってからも精力的にツイートした。

 大統領は1日朝7時には「テロ国家ナンバーワンのイランはデモ参加者が交信できないようインターネットを切断した。怪しからん」とツイート。2日朝にも「残虐で腐敗したイランの政権に対し、遂に人々が立ち上がった」とデモへの支持を表明した。大統領の相次ぐツイートはイラン情勢をいかに気にかけているかを示すものでもある。

 それもそのはず、トランプ大統領は11日から17日の間にあらためてイランの核合意を維持するかどうかを決断しなければならないからだ。合意については、ホワイトハウスが3か月ごとにイランの合意条項の順守を確認して、議会に報告することが義務付けられている。

 大統領は前回の期限の10月、合意自体を認めないとしたものの、議会には制裁措置の発動を勧告せず、議会にその対応を委ねるというあいまいさが残る決定を下した。しかし、議会の審議には進展がなく、大統領はイランが合意を順守しているのか、いないのかをあらためて決断する必要に迫られている。

 米紙によると、トランプ氏は渋々、制裁発動を見送り、結果として合意を維持することを決定するという見方が強い。大統領の決定はイランとの関係ばかりではなく、合意の維持を主張する欧州の同盟国との関係にも深刻な影響を与える。イラン問題は大きなヤマ場を迎えようとしている。

  
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