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2018年1月9日

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韓国政府は9日、北朝鮮が2月に開かれる平昌冬季五輪に選手団を派遣する意向を示したと発表した。同日午前に板門店で始まった、韓国と北朝鮮の2年ぶりの南北高位級当局者協議の後、韓国統一省の千海成(チョン・ヘソン)次官が記者団に明らかにした。

千次官は記者団に対し、五輪に「北側が政府高官級の代表団、北朝鮮オリンピック委員会の代表団、選手団、応援団、芸術団、観戦団、テコンドー団、それに記者団を派遣する」と述べた。

韓国は、開会式で南北朝鮮の選手が一緒に行進してはどうかと提案した。実現すれば、両国の選手が一緒に行進するのは、2006年に開催されたトリノ冬季五輪以来12年ぶりだとなる。

韓国はさらに、朝鮮戦争で離ればなれになった離散家族の再会を五輪開催中に実現してはどうかと提案したという。韓国政府は以前から、離散家族の再会回数を増やすよう北朝鮮に促してきた。

千次官はさらに、北朝鮮に軍事協議の再開も提案したと明らかにした。

一連の提案に北朝鮮が、どう反応したかは明らかになっていない。

平昌五輪組織委員会の李熙範(イ・ヒボム)会長は昨年、平昌五輪に参加する北朝鮮の選手は、非武装地帯経由の韓国入国を認められるようになると話していた。

さらに新年になると、北朝鮮の最高指導者、金正恩氏が1日の「新年の辞」で、平昌冬季五輪への選手団派遣を検討していると発言し、3日には板門店で南北間を結ぶホットライン(直通電話回線)の再開を指示した。この回線の再開によって、韓国が高官級協議を直接提案した。

北朝鮮は、米韓合同軍事演習の実施を五輪後に延期することを条件に、協議再開を受け入れた。

国際オリンピック委員会(IOC)は先週、北朝鮮が平昌五輪への参加に興味を示していることを「歓迎する」と述べた。

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、平昌冬季五輪が南北関係改善の「画期的な機会」になるかもしれないと、期待を示していた。

北朝鮮の核・ミサイル開発をめぐり、金氏と激しい罵倒の応酬を重ねてきたドナルド・トランプ米大統領は、今回の協議を「大きな始まり」と呼び、前向きな結果につながるならば「全人類にとって素晴らしいことだ」と述べていた。

韓国と北朝鮮の前回の高官級協議は2015年12月。北朝鮮による2016年2月の弾道ミサイル発射実験を受け、韓国政府は、北朝鮮南部にある開城工業地区の操業を停止し、韓国人を引き上げた。

北朝鮮はこれを「宣戦布告」と反発し、板門店でのホットラインを停止。北朝鮮がその後も核実験やミサイル発射実験を続けるなか、両国の緊張は高まっていた。


<解説>ルパート・ウィングフィールド=ヘイズ記者ソウル

北朝鮮が核戦争を起こすと警告していたのは、わずか1週間余り前のことだ。その北朝鮮の代表団は今朝、南北を分断する軍事境界線を歩いて越え、平昌五輪への参加に合意した。

何カ月も緊張が続いた後で、劇的な変化がいきなり訪れた。しかし、北朝鮮の姿勢が根本的に変化したと捉える人は、韓国にはほとんどいない。

北朝鮮の最高指導者、金正恩氏は、米国による軍事攻撃への懸念を強めているというのが、専門家の見方だ。恐怖心から、緊張緩和のために何かしなければと判断したのだろうと言われている。

韓国の文在寅大統領は、難しい立場に立たされている。米国は北朝鮮の意図について非常に懐疑的で、文氏はその米国をなだめつつ、北朝鮮とは本物の対話を実現させようとしている。

(英語記事 North Korea will send team to the Olympic Games

提供元:http://www.bbc.com/japanese/42617448

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