仕事の失敗を実力に変えるメンタルトレーニング講座

2018年1月20日

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大儀見 浩介 (おおぎみ・こうすけ)

メンタルトレーニングコーチ

1979年、静岡県清水市生まれ。東海大学第一中学校サッカー部時代に全国優勝を経験。東海大学一高では主将として鈴木啓太選手とプレー。東海大学進学後、高妻容一研究室にて応用スポーツ心理学(メンタルトレーニング) を学ぶ。現在はスポーツ、ビジネス、教育、行政など、様々な分野でメンタルトレーニングを指導。年間250本の講演活動を行う。12年、メンタルトレーニングを広く伝えるため株式会社「メンタリスタ」を立ち上げ、代表取締役に就任。静岡県スポーツ振興推進審議会委員。帝京平成大学非常勤講師。

 今回は、集中力について前回からの続きとなります。忘れてしまった方は、ぜひ前回(『今すぐ「集中力」をつける5つの方法』)を読み返してみてください。

 集中力がどのようなものか、理解できましたか? 簡単にまとめてみましょう。

① 集中力とはスポットライトのようなものである。
②人は一つのことにしか集中できない。
③ 能動的に自ら集中することが大切である。
④ 人は誰でも、もともと集中する力を持っている。

 今回は、集中力を最も必要とし、それを武器にもしている一流スポーツ選手が実践する集中力の高め方についてご紹介します。

 私たちメンタルトレーニングコーチは、集中力を説明するとき「フォーカス」「コンセントレーション」「アテンション」という言葉を使います。表現が違うように、その意味や集中力の高め方もそれぞれ異なります。一つずつ見ていきましょう。

(dr911/iStock)

「フォーカス」で目標と行動を絞り込む

 フォーカスには的を絞り込むという意味もあり、目視した目前の標的やゴール等への局面的かつ短期的な集中から、数か月後の試合に向けたプラン作成、数年後の長期的な目標づくりなど、やるべきことをリストアップして、最終ターゲットまでの行動を絞り込むような作業を表現した言葉です。

 フォーカスすることによって集中力を高めていくことは、順を追って行動をシンプルに絞り込んでいくことになり、明確な目標設定は集中力を継続的に高めていくトレーニングとなります。長期的な目標を絞り込み、さらに今月・今週・今日・今の目標と、行動の指標や目的の意識を高めていくことにより、今現在のあり方や取り組みへの集中力を高めているのです。トレーニングの質も、自ずと高くなっていきます。一流スポーツ選手ほど目標設定能力が高いのは、フォーカスする能力が高いためといえます。

 ここで、皆さんの今日1日のスケージュールを確認し、優先順位と具体的な行動プランを確認してみましょう。何をどの順番でどう行動すべきかがわかると、自然に集中が高まっていくはずです。さらに、具体的なプランとそのバリエーションや、期限、予期せぬ事態への対処も考えてみてください。目標がしっかり見えてくるでしょう。

「コンセントレーション」でイメージを確認する

 コンセントレーションとは、内的な集中(自分の内側への深い集中)に対してよく使われる言葉です。たとえば、目を閉じて自分のベストプレーのイメージをつくったり、過去の試合をイメージのなかで修正したり、呼吸や心臓の鼓動に意識を集中するなど、深く強いリラックスを伴う集中のことです。

 一流スポーツ選手たちは、この集中を普段のトレーニングに取り入れ、試合で集中力を高めています。スペインのリーガ・エスパニョーラ最高峰のサッカーチーム、レアル・マドリードのクリスチアーノ・ロナウド選手は、フリーキック前に5歩下がり、呼吸を整え、一点を見つめて集中し、自分の理想的なキックから生まれるボールの軌道をイメージしています。呼吸を整え、一点を見つめ、イメージをつくり、自分が培った集中力を最大に引出しているのです。当然トレーニングの時から準備された動作・手順です。

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