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2018年1月30日

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ゴードン・コレーラ安全保障担当編集委員

米中央情報局(CIA)のマイク・ポンペオ長官はBBCに、今年11月に行われる米連邦議会の中間選挙をロシアが狙うだろうと話した。

ポンペオ長官は、ロシアは依然として欧州や米国の政治に介入しようとしており、その動きは衰えていないと述べた。

長官はさらに北朝鮮について、米国を核攻撃する能力を「ほんの数カ月以内」に手にするかもしれないとの見方を示した。

米国の複数の情報機関は2016年末、ロシアが同年の大統領選に介入したと断定した。

ポンペオ長官はほぼ毎朝、トランプ大統領に最新機密情報を報告している。長官は、トランプ氏の大統領としての能力を疑う最近の一部報道を、「くだらない」と一蹴した。

バージニア州ラングレーのCIA本部7階にある長官の会議室には、歴代長官と、それぞれが仕えた大統領の写真が並んでいる。

そしてポンペオ氏は、トランプ大統領の下のCIAについて、明確なビジョンを持っている。

ポンペオ氏はBBCに、「我々は世界最高の諜報機関だ」と話した。

「我々は現場に出て、米国人のためにとことん努力して秘密を盗んでいる。そのための最高の態勢を回復したかった」

長官就任から1年たった今、自分の使命はCIAをしがらみから解放して思う存分、活動させることだと言う。

CIAは予測不能な世界で活動する組織だ。CIAの情報分析は軍事行動の根拠となるだけでなく、政治論争の原因にもなりえる。

ロシアとの関係については、対テロ作戦で協力することはあるものの(CIAは昨年12月、ロシアのサンクトペテルブルグのテロ攻撃阻止に貢献した)、ポンペオ氏は今ももっぱらロシアを敵とみなしている。同様にロシアを警戒する欧州諸国と共に、ロシアの介入工作を懸念している。「ロシアの工作活動は失速していない」。

その懸念は今年11月の米中間選挙にも関わるのかと尋ねると、長官は「もちろんだ」と答えた。

「ロシアは確実に、そこでも介入しようとするはずだ。しかし同時に、米国は自由で公平な選挙を実施できるはずだと、確信している。ロシアによる選挙介入が結果にさほど影響しないよう、我々は精力的に対抗するはずだ」

米国はロシアの介入に対抗策をとっているとポンペオ氏は話す。情報の発信元確認なども必要な作業だったが、これはCIA本来の任務ではない。それでもCIAは妨害工作の背後関係特定に協力し、技術力を使ってロシアの工作阻止に関わった。

米国の複数の情報機関は、ロシアが2016年大統領選に介入したと結論している。しかし、トランプ氏はこれと対照的に、介入の主張を一蹴しがちだ。ということは、CIA長官としてポンペオ氏は、難しい綱渡りを必要とされているのだろうか。

「自分は綱渡りなどしない。自分にとって大事なのは真実だけだ。我々はほぼ毎日、CIAが知りえた最重要機密の真実を、大統領に直接伝えている」と長官は言う。

長官は、トランプ氏と自分が共にワシントンにいる場合はほぼ毎日、最新情勢や戦略などについて、大統領に報告している。大統領の海外訪問や外国首脳との会談前には、相手に対して「優位になれる情報」を提供するよう心がけている。

「大統領は我々が提供する情報に、強い関心を抱いているという意味で、集中力が高い。特定の内容について我々の判断の根拠を理解したがるという意味で、強い関心を抱いている」

「炎と激怒」の「たわごと」

ポンペオ氏は、トランプ氏の知的能力を疑問視する話題の近刊「Fire and Fury: Inside the Trump White House(炎と激怒――トランプ政権の内側)」に否定的だ。

「ばかげている。その本は読んでいない。読むつもりはない」

「大統領が職務に前向きでないとか、こうした重要な問題を理解していないなどの主張は、危険で誤っている。時間をかけてあんなたわごとをわざわざ書く人がいたと思うと、悲しくなる」

トランプ氏のツイートや外交政策をめぐる率直な物言いは、大統領として異例のものだ。トランプ氏は北朝鮮の金正恩氏をロケットマンと呼び、金氏の核兵器のボタンと比べて自分のボタンの方が大きいとも自慢した。

しかしポンペオ氏は、大統領の一連の公的発言のおかげで、金委員長にも他国の指導者たちにも、現状がいかに危険なものか知らしめることができたと主張する。

「大統領はあえてあのような表現を使っている。大勢が聞いているので。(中略)米国は本気だというメッセージで、金正恩もそれを理解しているはずだ」

ポンペオ氏はまた、北朝鮮への制裁強化を中国が国連で認めるなど、中国の姿勢にも変化が出ていると指摘しながら、中国にできることはまだあると述べた。

北朝鮮の核開発は、CIAにとって優先課題のひとつだ。「核兵器を米国に到達させる能力を、ほんの数カ月の内に手にするだろうと、そういう話をしている」と長官は言う。

「(北朝鮮の)リスクを外交以外の手段で減らし続けるための選択肢を、大統領に与えるため、必要な機密情報を大統領に確実に届けるのが、我々の任務だ」

ポンペオ氏は、北朝鮮と全面対決になれば甚大な破壊と人命損失につながり得ること、大統領も政権幹部も「意識」していると話した。

金正恩氏を排除すること、あるいは金氏が核ミサイルを発射できないようにすることは可能かと尋ねてみた。すると長官は、「可能なことは色々ある」と答えたものの、それが具体的にどういう意味かは明らかにしなかった。

(英語記事 Russia 'will target US mid-term elections' says CIA chief

提供元:http://www.bbc.com/japanese/42868874

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