WEDGE REPORT

2018年2月8日

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田村明子 (たむら・あきこ)

ジャーナリスト

盛岡市生まれ。1977年米国に単身留学し、1980年から現在までニューヨーク在住。著書に『ニューヨーカーに学ぶ軽く見られない英語』(朝日新書)、『知的な英語、好かれる英語』(生活人新書)、『女を上げる英会話』(青春出版社)、『聞き上手の英会話』(KADOKAWA/中経出版)など。翻訳書も多数。フィギュアスケートライターとしても知られており、『銀盤の軌跡』(新潮社)などの著書もある。

羽生は66年ぶりの五輪連覇となるか

 一方気になるのは、11月に右足の靭帯を痛めた羽生結弦が、現在どのくらいまで体調を戻してきているのかということである。

 怪我をしてから、ほとんどこれといった大きなニュースも報道されていなかった羽生だが、2月6日にすでに現地入りしているコーチのブライアン・オーサーが、江陵アイスアリーナでメディアにこのように語った。

 「練習はうまくいっています。それははっきり言えます」とオーサー。痛みもなくなり、ジャンプの練習も再開して、日々回復してきているという。

 「この期間、私は彼の新しい面を学んだし、彼自身も自分のことを改めて学んだのではないかと思います。彼がとても冷静でいたことに、私は強い印象を受けました」

 11月9日、NHK杯の公式練習中に4ルッツの着氷を失敗して転倒した羽生は、右足関節外側靭帯損傷で全治4,5週間という診断を受けた。だが炎症が骨にも及んでいたことなどから回復が遅れ、12月末の全日本選手権には欠場。だがこれまでの実績を評価して平昌オリンピック代表に選ばれた。

 「2か月半前に、彼と顔を突き合わせて綿密に計画をたてました。大事なのは、小さな目標を細かくたててそれを達成していくことでした。絶対に間に合う、予定通り出場することは可能だ、と彼に告げたんです」とオーサー・コーチ。

 本人は2月11日にカナダのトロントから、コーチの一人であるトレイシー・ウィルソン、そしてトレーニングメートのハビエル・フェルナンデスと一緒に現地入りをすることが予定されているという。最後に報道陣の前に姿を見せてから、まるまる3か月の月日が流れているだけに、公式練習ではカメラマンもレポーターも殺到するであろうことが予想される。

 いきなり大舞台でのぶっつけ本番になるが、オーサーは「それについては心配していない。彼はすでに必要な経験はたくさん積み重ねてきている」と太鼓判を押す。

 ソチオリンピック金メダリストの羽生がここでタイトルを守ることができたら、男子としては1948年と1952年のオリンピックを連覇した、アメリカのディック・バットン以来66年ぶり。

 羽生以外の優勝候補は、アメリカのネイサン・チャン、スペインのハビエル・フェルナンデス、そして宇野昌磨である。どのような戦いが繰り広げられるのか。いよいよ始まろうとしている。
 

  
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