今月の旅指南

2018年2月20日

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狩野直美 (かのう・なおみ)

東京生まれ。フリーライター。旅行業界誌の記者・編集者を経て、1994年からフリーランスに。主に海外旅行関連誌、ウェブマガジン等に記事を執筆中。

 山口県下関市、関門海峡に面した場所に立つ赤間(あかま)神宮。平安時代末期の壇ノ浦の戦いで幼くして没した安徳天皇が祀られており、境内には平家一門の墓もある。毎年3月には、春の風物詩となった「平家雛流し神事」が執り行われる。

安徳天皇や平家の武将が最期を遂げた海に向けて紙雛を流す

 雛流し(流し雛)は、身の穢(けが)れを人形に託し水辺に流して厄払いをする風習として平安時代に始まり、江戸時代には庶民の間にも広まったといわれる。赤間神宮の雛流し神事は、第2次世界大戦で焼失した社殿が昭和40年(1965)に再建されたのを機に、翌41年から始まった。厄払いとともに、安徳天皇と平家一門の霊を慰める神事として挙行されている。

 神事の開始は13時から。神前に紙雛を供えた後、祝詞(のりと)を奏上し、神楽を奉納。拝殿内の水庭(すいてい)には、男性は狩衣(かりぎぬ)、女性は千早(ちはや〈神事用の衣装〉)を着用した、地元の句会や歌会の代表者が参集。水に浮かべた杯を手に取り、お神酒を飲んで歌や句を詠む、みやびな「曲水(きょくすい)の宴(えん)」が繰り広げられる。

 その後、赤間神宮前の海岸へ移動し、紙雛を関門海峡へと流す。参拝者も持参した紙雛を流すことができる(プラスチック製などは不可)。また、当日は14時まで雛流しにちなんだ俳句を受け付けており、雛流しの後の句会で選考と入選発表が行われる。

●平家雛流し神事
 <開催日>2018年3月3日

 <開催場所>山口県下関市・赤間神宮(山陽本線下関駅からバス)
   <問>☎083-231-4138

   URL:http://www.tiki.ne.jp/~akama-jingu/

*情報は2018年1月現在のものです。料金・時間・休館日などの詳細は、お出かけの際、現地にお確かめください

  
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◆「ひととき」2018年3月号より

 

 

 

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