赤坂英一の野球丸

2018年2月14日

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かつては隠蔽体質との批判も受ける

 今井に限らず、西武は近年、この種の選手の不祥事を自ら明らかにすることが多い。16年12月には、やはり未成年の選手が寮の部屋で喫煙、吸いがらを消し忘れたまま外出し、火災報知器を作動させてしまった。寮内での出来事で、公共の場所ではなかったことから実名は伏せられたが、厳重注意と外出禁止の処分を科したことは発表された。

 12年12月には、ドラフト2位で翔凜高校から入団した投手・相内誠が、無免許運転とスピード違反で千葉県警に摘発されている。このときは入団が一時凍結され、翌13年3月に西武がようやく契約に踏み切ったところ、その年の暮れに未成年にもかかわらず飲酒・喫煙していたことが、球団公式ホームページへのファンの書き込みによって発覚。6カ月間の外出禁止、試合出場停止、ユニフォーム着用禁止処分が科された。

 西武がかくもコンプライアンスに厳しく、かつ神経質になっている背景には、親会社の西武ホールディングス(HD)が14年4月、9年4カ月ぶりに果たした東証1部への再上場がある。

 同社の前身・西武鉄道は04年12月、有価証券報告書の虚偽記載で上場廃止となった。親会社にそういう過去がある以上、関連会社・ライオンズの選手の不祥事も、相撲協会のように隠蔽し、「内々で済ませる」わけにはいかない。春日野部屋での14年の暴行事件のように、あとで警察沙汰になっていたことが明るみに出たら、親会社にとっても大打撃となるからだ。実際、西武が未成年選手の不祥事を明らかにし始めたのは、再上場の動きが本格化してきた時期と重なっている。

 親会社が西武鉄道だった時代は、隠蔽体質と批判されるような事件も起こした。00年9月、免停中の松坂大輔(現中日)が柴田倫世(現夫人)の自宅マンション前にセルシオを停めて駐車違反に問われた。このとき、当時広報課長だった黒岩彰(現富士急行スケート部監督)が身代わり出頭したところ、すぐに露見してしまい、黒岩課長が犯人隠避、松坂が道交法違反で書類送検されたのだ。

 ここまで情報化が進み、コンプライアンス第一となった世の中に、もはや「内々で済む話」などない。相撲協会が西武球団をはじめとするプロ野球に学ぶべきことは多い。この際、再発防止委員会に、球界のコンプライアンス担当を招聘してはどうだろうか。

  
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