BBC News

2018年2月14日

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米国が先週行ったシリア北東部への空爆で、少なくとも2人のロシア人戦闘員が死亡したことが明らかになった。戦闘員の同僚たちがBBCに語った。

死亡した戦闘員はシリア政府軍を支援する民間軍事会社に雇われていたもよう。ロシア人戦闘員の死亡は米メディアが最初に報じたが、ロシアは確認せず、このような報道を「主要な情報源」とすべきでないと述べていた。

米国の発表によると、先週の空爆で戦闘員100人以上が死亡したという。

米国の攻撃で何が起きたのか

米国の政府当局者によると、シリアのバッシャール・アル・アサド大統領と協調する数百人の戦闘員が、東部デリゾール県の町クルシャム近郊の米国が支援するシリア民主軍(SDF)の拠点を攻撃したという。

戦闘員らはユーフラテス川を越え、米国人の顧問が滞在していたSDFの基地を砲撃した。

米国は今月7日に空爆と砲撃で対抗して政府軍の攻撃を阻止し、アサド政権側の勢力を退却させたと米国の政府当局者はいう。

シリアの国営メディアは攻撃を受け数十人が死亡したと発表し、米国の「残忍な虐殺」を非難した。

一方でロシア国防省は、シリア政府が支援する部隊が、過激派組織「イスラム国」(IS)の戦闘員に対抗する作戦を開始した際に攻撃を受けたと主張している。

ロシアはさらに、自国の人員が当該地域にいたことを否定している。

シリア東部の非公式な境界線の役割を果たす、ユーフラテス川中流の谷で攻撃は行われた。境界線の西側を政府軍が 支配し、東側をSDFが支配している。

この1年で「イスラム国」(IS)の勢力をシリア内の最後の主要な拠点から撃退しようとするなかで、政府軍とSDFは衝突してきた。

ロシア人傭兵について分かっていること

米CBSテレビは今月8日、米国防総省職員の話として、SDFの基地を攻撃したシリア政府軍の中にロシア人傭兵がいたと最初に報じた。

「死亡した兵士の中にロシア人がいるなら、米国の空爆がシリア内のロシア人を殺害した最初の事例となる」とCBSニュースのデイビッド・マーティン記者は指摘した。

死亡した政府軍兵士の詳細は、攻撃から数日経って明らかになってきた。

死亡したロシア人戦闘員の同僚らが13日にBBCの取材に応じ、今月7日の攻撃で死亡したことを確認した。

同僚らによると死亡したのは、ロシア西部カリーニングラード地域出身のウラジーミル・ロジノフ氏とモスクワ出身の急進的な国家主義者キリル・アナニエフ氏だという。

複数のメディアによると、ロシア人戦闘員数十人が死亡した可能性があるという。

戦闘員らは民間軍事会社バグナーに雇われていたとみられている。同社は報道について、コメントしていない。

ロシア政府の反応

ロシアのドミトリー・ペスコフ大統領報道官は13日、「シリア軍を支援するロシアの軍事作戦に参加している、ロシア軍兵士の詳しい情報はある」としたものの、「シリアにいる可能性のある、ほかのロシア人の情報は持っていない。国防省に確認してもらいたい」と詳細についてはコメントしなかった。

ペスコフ報道官はBBCの追加質問に対し、「それに当然、世界各地にかなり多くの同胞のロシア人がいると認識しておかねばならない。当然、詳しいデータを得るのは難しい」と答えた上で、「メディアの報道を主要な情報源として扱わない方が良いのではないか」とも述べた。

シリア内戦でのロシア人死者数

ロシアは2015年9月30日、シリアでアサド大統領を支援する軍事作戦を開始した。

以来、ロシア軍関係者45人以上の死亡が正式に確認されている。このほか、民間軍事会社社員も死亡しているものの、死者数は明らかになっていない。

今月には、シリア北西部イドリブ県の反政府勢力支配地域でロシア軍のスホイ25攻撃機が撃墜された。

パイロットは最初に攻撃を受けた際にパラシュートで脱出したものの、地上戦で死亡。捕虜になるのを避けるため手投げ弾を起爆させたという。

(英語記事 Syria conflict: 'Russians killed' in US air strikes

提供元:http://www.bbc.com/japanese/43054198

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