赤坂英一の野球丸

2018年2月21日

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 松坂大輔が入団したおかげで、中日の北谷キャンプが近来にない活況を呈している。閑古鳥が鳴いていた球場のスタンドに連日大勢のファンが詰めかけ、例年を上回る数の報道陣が集結。これに応えてブルペンで精力的に投げ込むだけでなく、フリー打撃で柵越えをかっ飛ばし、練習後にサイン会を開く松坂の〝神対応〟たるや、さすがにスーパースターならでは。球団が大急ぎで製作したタオルやユニフォームなど、キャンプ地限定の〝松坂グッズ〟も瞬く間に売り切れてしまった。

(Wavebreakmedia Ltd/iStock)

 しかし、いまの松坂を戦力として見れば、極めて厳しい立場に置かれていると言わざるを得ない。当人も十分自覚しているようで、中日に拾われるまで「現役を続けるか、諦めようか、散々悩み抜いた」と様々なメディアで語っていた。そんな殊勝なセリフを聞くにつけ、昨年戦力外通告を受けた〝松坂世代〟の選手たちはどうなるのだろう、という思いが脳裡をよぎる。

 巨人を自由契約となった村田修一にはいまのところ、どの球団からもオファーがない。このままNPB球団に復帰できなければ、いったん独立リーグに身を寄せ、7月末日の補強期限まで声がかかるのを待つ。そこで望みが絶たれたら、観念して現役を諦めるつもりだという。こうなると、実態としては「引退」より「廃業」といったほうが正確だろう。

 松坂が入団した中日の元監督・落合博満氏は先日、福岡市での講演で「おれが監督だったらあいつ(村田)獲ってるよ」と発言した。「まだ使い勝手(の良さ)があるから。本人も一所懸命、身体動かしてるんだから。獲ってもムダではないのに」と、獲得に動かない球界に疑問を呈している。かつては川相昌弘(現巨人二軍監督)、中村紀洋、小笠原道大(現中日二軍監督)らを拾って再生してきた落合氏の言うことだけに説得力はある。が、「それは落合さんだから言えること」と、私の知る古株の球界関係者は指摘した。

 「落合さんはああいう性格だから、獲っても役に立たないと見たら、平気で二軍に塩漬けにできるだろ。実際、川相、中村紀、小笠原もチヤホヤしてばかりじゃなかった。でも、並の監督ではそうはいかない。まして村田は2000安打まであと135(通算1865)と迫っている。どこかの球団に雇われたら、当然達成したいだろうし、監督だって気を遣う。しかも、村田はプレッシャーに弱いところがあるから、一度不調に陥ったら扱いに困る。下手をしたら、ベンチの腫れ物にもなりかねない。本人には悪いけど、そういうわけでなかなか声をかけられないんだ」

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