2024年4月19日(金)

WEDGE REPORT

2018年3月6日

――問診や治療の際、言葉(言語)はどうしているのですか。

古山氏:基本的に、提携している医療通訳関連企業(日本医通佳日など)から中国語の通訳が同行します。患者さんは英語ができる方が多いのですが、デリケートな内容ですし、絶対にミスは許されない。母国語で十分に意思を伝えてもらうことのほうが重要ですので、通訳は必須だと思っています。

――医療セミナーや講座などもこちらのクリニックで行っているとか。

古山氏:はい。一般社団法人・日中医療交流促進協会の通訳として活躍している方や、これから通訳になりたい方などを対象に、私や他のドクターが特別講座を行い、美容医療の現状などをお話し、予備知識を深めてもらっています。参加した方々からのSNSの発信も大きな力になっています。

医療通訳者などに向けて講演する古山氏

――医師と患者にとって、意思の疎通は最も大事なことですね。中国人が望む美容医療はどのようなものでしょうか。

古山氏:日本人ととくに変わりはないのですが、目的の一つは若返りでしょうか。ヒアルロン酸、ボトックス注射、フェイスリフトなどですね。もう一つはより美しくなること。たとえば、鼻や目、骨格などの美容外科に関する手術をすることです。

 日本人の中には、中国人は(美容医療を行うことによって)見た目の大きな変化を望むと想像する方もいるかもしれませんが、実際は違い、もともとの持ち味を生かしたナチュラルルッキングを望む方のほうが多いといえますね。

――そうなんですね。最初に韓国や台湾のお話が出ましたが、中国人の患者さんは、日本の美容医療のどんなところに注目するようになったのでしょうか。

古山氏:やはり、望まれているのは、日本人らしい細やかさ、正確さ、勤勉さ、ホスピタリティなどだと思います。日本の美容医療の質の高さにも、もちろん注目しています。日本の化粧品の品質の高さは世界的にも有名ですが、安心・安全も日本のよさ、ウリのひとつといえるでしょう。だからこそ、もともと美しい人も、よりよいものを求めて、日本のクリニックに興味を持って来てくださるようになってきたのだと思います。

 わざわざ海外からやってきていただくため、1回の治療で行うことは必然的に多くなり、1回当たりの単価も高くなる傾向がありますが、日本人の患者さんと同じように、初診から施術のプランニング、治療までをトータルで丁寧に行っています。患者さんの中には、日帰りで日本にやってきて、ヒアルロン酸注射を受けて帰る人もいます。


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