今月の旅指南

2018年3月21日

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狩野直美 (かのう・なおみ)

東京生まれ。フリーライター。旅行業界誌の記者・編集者を経て、1994年からフリーランスに。主に海外旅行関連誌、ウェブマガジン等に記事を執筆中。

 信仰によって生まれた仏教美術、古典文学を題材とした工芸品、雪舟等楊(せっしゅうとうよう)、俵屋宗達(たわらやそうたつ)、伊藤若冲(じゃくちゅう)の代表作など、日本美術史上に燦然と輝く「名作」にスポットを当て、その誕生に至る道のりを探る展覧会が開かれる。

 本展では国宝や重要文化財を含む約130件の名作を、12のテーマに分けて紹介。9世紀半ばに唐から伝わった図像に基づいて、合掌する姿で表された木彫の「普賢菩薩騎象像(ふげんぼさつきぞうぞう)」と仏画の「普賢菩薩像※」(いずれも国宝)、『伊勢物語』第9段の三河国八橋の情景を題材にした尾形光琳作「八橋蒔絵螺鈿硯箱(やつはしまきえらでんすずりばこ)※」(国宝)、 切手の図案にもなった菱川師宣(ひしかわもろのぶ)の「見返り美人図」など、誰もが一度は目にしたことのある名作が集まる。

 なかでも見逃せないのが、雪舟の「四季花鳥図屏風※」(重文)。明の時代の中国に渡って会得した画風を取り入れ、独自の水墨画の境地を切り開いた花鳥画の傑作だ。

 また、生涯にわたり鶏を題材に多数の絵を描いた若冲は、同じ姿形の鶏を繰り返し描いたことでも知られる。初期作「雪梅雄鶏図(せつばいゆうけいず)」と、鶏図の到達点ともいえる晩年の代表作「仙人掌群鶏図襖(さぼてんぐんけいずふすま)」(重文)に描かれた鶏の姿を見比べてみるのも興味深い。

重要文化財 伊藤若冲筆 《仙人掌群鶏図襖》(部分)
江戸時代・18世紀 大阪・西福寺蔵

※は前期展示(4月13日~5月6日)

●特別展「名作誕生—つながる日本美術」
*会期中、展示替えあり
 <開催日>2018年4月13日~5月27日

 <開催場所>東京都台東区・東京国立博物館 平成館(山手線上野駅下車)
   <問>☎03-5777-8600

   URL:http://www.tnm.jp/
 URL:http://meisaku2018.jp/

*情報は2018年2月現在のものです。料金・時間・休館日などの詳細は、お出かけの際、現地にお確かめください

  
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◆「ひととき」2018年4月号より

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