今月の旅指南

2018年3月22日

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狩野直美 (かのう・なおみ)

東京生まれ。フリーライター。旅行業界誌の記者・編集者を経て、1994年からフリーランスに。主に海外旅行関連誌、ウェブマガジン等に記事を執筆中。

 江戸時代、大坂を中心に流行した戯画「鳥羽絵(とばえ)」など、戯画を通して、江戸時代の庶民の笑いの世界を紹介する展覧会が今春、大阪市立美術館で開催される。

 「鳥羽絵」とは、「鳥獣人物戯画」の作者といわれる平安時代後期の僧、鳥羽僧正覚猷(かくゆう)にちなんで名付けられたとされる。軽妙な筆致で人物を面白おかしく描いた「鳥羽絵本」が大坂で発行されると、瞬く間に江戸にまで広がっていったという。その影響は絵師にもおよび、葛飾北斎、歌川国芳、さらには河鍋暁斎(かわなべきょうさい)らが鳥羽絵の流れをくむ戯画を手掛けた。

歌川国芳 《きん魚づくし ぼんぼん》 江戸時代 個人蔵

 会場にはベルギーからの里帰り作品を含め、約280件の戯画が勢ぞろい。「鳥羽絵本」をはじめ、ユーモラスな鬼や亡者たちを描いた「地獄図巻」で知られる大坂の絵師、耳鳥斎(にちょうさい)の作品、さまざまな人物の動きや表情を収めた「北斎漫画」、清水寺や住吉大社など名所を舞台にした戯画「滑稽名所」シリーズなどが並ぶ。

 注目は、江戸における戯画の名手、歌川国芳の作品。擬人化された金魚たちがうちわを手にして歩いたり、いかだを漕いだり、宴に興じたりする愛らしい仕草を描いた「金魚づくし」シリーズ全9図が、期間限定で一挙公開されるのも楽しみだ。
 

●特別展「江戸の戯画—鳥羽絵から北斎・国芳・暁斎まで」
※期間中、展示替えあり
 <開催日>2018年4月17日~6月10日

 <開催場所>大阪市天王寺区・大阪市立美術館(大阪地下鉄御堂筋線天王寺駅下車)
   <問>☎06-4301-7285

   URL:http://www.osaka-art-museum.jp/
 URL:http://www.osaka-art-museum.jp/sp_evt/edonogiga

*情報は2018年2月現在のものです。料金・時間・休館日などの詳細は、お出かけの際、現地にお確かめください

  
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◆「ひととき」2018年4月号より

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