田部康喜のTV読本

2018年3月14日

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田部康喜 (たべ・こうき)

東日本国際大学客員教授

福島県会津若松市生まれ。幼少時代から大学卒業まで、仙台市で暮らす。朝日新聞記者、朝日ジャーナル編集部員、論説委員などを経て、ソフトバンク広報室長に就任。社内ベンチャーで電子配信会社を設立、取締役会長。2012年春に独立、シンクタンク代表。2015年10月から東日本国際大学客員教授として地域振興政策を研究、同大・地域振興戦略研究所副所長を兼務。

 ハリカに加えて、脱サラでカレー屋を経営したものの倒産した持本舵(阿部サダヲ)、商社で窓際に追いやられた青羽るい子である。亜乃音と4人暮らしが始まる。

 中世古が彼らを偽札づくりに引きずり込む。彼はかつてIT経営者として巨額の資産を持った経験もある。

 亜乃音の夫・京介が他の女に生ませたが、実の娘のように育てた青島玲(江口のりこ)息子の陽人(守永伊吹)が、アパートに一人でいるときにライターで手紙に火をつけ、助けようとした男性を焼死させてしまった過去がある。本人は覚えていない。

 中世古は、そのことをネタにして、亜乃音を協力者にして、印刷所の印刷機を使う。

 ハリカは、彦星の難病を治す高額な治療のために、偽金づくりに加わる。

ドラマの幕はどのように降りるのだろうか

 第8回(3月7日)に至って、ドラマはクライマックスに向けて展開を速めている。中世古たちは、試験としてまず手掛けた1000円札の偽札づくりに成功して、ついに1万円の偽札づくりにも成功する。坂元の脚本は、中世古と仲間たちが偽札を通用するかどうか試すシーンと、ハリカと彦星がはじめて携帯電話で声のやり取り、亜乃音とその犯行を阻止しようとする弁護士の花房(火野)が小料理屋で酒を飲みながら諭す、それらが巧みに折り重なるように描かれている。

 ゲームセンターのハリカ。携帯が鳴る。表示は知らない番号である。彦星だった。

 彦星  「ハリカちゃん?」
 ハリカ 「はい」
 彦星  「えっと」
 ハリカ 「はい」
 彦星  「えっと」
 ハリカ 「はい」
 彦星  「あー、えっと、どうも」
 ハリカ 「どうも」
 ……
 彦星  「こういう風に思っているのは、ハリカちゃんだけだから」
 ハリカ 「わかるっていうか、わかんないけど、彦星君に会ったことがないし、声を聞いたのも初めてだし。わかんない、わかんないけど返事してもいいかな」
 彦星  「返事?」
 ハリカ 「私も、私もです。私も彦星君と同じように思ってる」

 小料理屋のカウンターで、弁護士の花房(火野)は亜乃音にこう話しかける。彼は、偽札づくりが行われいることを薄々知っている。

 花房  「あすにでもあの工場を閉めましょう。町に出て暮らしましょう。私もいっしょにでもいいから。

 花房は、工場で拾った偽札づくりにつかったホログラムの一片を、灰皿に落とすのだった。

 偽札の1万円が通用するかどうかは、ハリカしか成功しなかった。中世古(瑛太)も青羽(小林)、持本(阿部)が使った1万円札は機械がはねた。

 中世古や亜乃音らが印刷所に集まったところに、弁護士の花房が訪れる。大量の偽札を見つけて、花房は亜乃音に「自首しましょう」という。

 「待ってください」と、持本(阿部)は花房にすがりつき、後ろから中世古が花房の首に手をかける。

 ドラマの幕はどのように降りるのだろうか。
 

  
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