BBC News

2018年3月29日

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ロシアの元スパイ、セルゲイ・スクリパリ氏と娘のユリアさんが神経剤を使用された殺人未遂事件について、英警察は28日、両氏が最初に神経剤に触れたのは自宅の玄関ドアだったと発表した。

警察によると、スクリパリ氏とユリアさんに使われた神経剤が最も高い濃度で発見されたのが、玄関ドアだったという。

両氏は4日、ソールズベリーのショッピングセンターのベンチで意識不明となっているところを発見された。依然として危険な状態を脱していないという。

警察は、調査はスクリパリ氏の自宅住所でもあるクリスティー・ミラー・ロードに重点を置いて行われているが、地元住民へのリスクは少ないとしている。

神経剤の痕跡は町内にある他の複数の場所でも見つかっているが、濃度は低いという。

BBCのゴードン・コレラ安全保障担当特派員は、超高濃度の神経剤がスクリパリ氏の自宅ドアの持ち手から見つかったと語った。神経剤は「ネバネバした状態のものを、ドアの持ち手に塗りつけるように」付与されたようだという。

コレラ氏はこのことが、警察が押収したスクリパリ氏の車や、2人が食事をとった現在警察に閉鎖されているレストランで神経剤が見つかった理由を説明できるだろうと語った。

この事件には約250人のテロ対策官が動員され、5000時間分の監視カメラ映像と押収品1350個を調べている。

ロンドン警視庁のディーン・ヘイドン副警視総監補は、捜査員は今後数週間、ひょっとすると数カ月、現地で捜査を続けると述べた。

「スクリパリ氏の近所に住んでいる人たちは、捜査員がこの事件を調べているところを見ることになるだろう。ただ、リスクは低く、捜査は予防として行われているので、住民の皆さんには安心してほしい」とヘイドン氏は付け加えた。

ノビチョク剤

ソールズベリーの店や墓地での法医学的捜査は終わりが近い。

地元ウィルトシャー警察のポール・ミルズ副本部長は、マルティングス・ショッピングセンターやアシュリー・ウッド集合住宅、ロンドン・ロード墓地の捜査権限が、国のテロ対策捜査チームからからウィルトシャー警察に戻ったと発表した。

スクリパリ氏の妻と息子は同墓地に埋葬されている。また、同氏とユリアさんはモルティングス・ショッピング・センターで意識不明のところを発見された。

テリーザ・メイ英首相は今月12日、事件で使われた化学物質はノビチョク剤という名前で知られるロシア製の神経剤の一種だと発表した。

メイ首相は、この事件に「ロシアが国家として犯罪にかかわっているという以外の結論はない」とし、ロシアの外交官23人を英国から追放している

これに加えて、英国と同調する欧州諸国を含む少なくとも26カ国が、130人以上の外交官を追放した。

ロシア政府は事件に対する一切の関与を否定しており、この「挑発的行為」に必ず報復するとしている。

ロシアは報復的対応として、23人の英外交官をモスクワから追放した。

ボリス・ジョンソン英外相は、この神経剤使用事件でロシアに対する「嫌悪の国際的な高まり」が明確なものになったと語った。

ジョンソン外相は「最近数日間にみられた露外交官の集団的追放の規模は、過去に例がない」と付け加えた。

セルゲイ・スクリパリ氏とは

スクリパリ元大佐は、ロシアの退役情報将校。ロシアのスパイに関する情報を英軍事情報活動第6部(MI6)に渡していたとされている。

2006年にロシアで禁錮13年の実刑判決を受けた。

2010年7月に米連邦捜査局(FBI)が拘束していたロシア側スパイ10人との交換で釈放された4人のうちの1人で、その後、英国に渡っていた。

(英語記事 Spy poisoning: Highest amount of nerve agent was on door

提供元:https://www.bbc.com/japanese/43579018

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