科学で斬るスポーツ

2018年4月5日

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玉村 治 (たまむら・おさむ)

スポーツ科学ジャーナリスト、科学ジャーナリスト

小学校より野球をはじめ、大学では投手として活躍。スポーツを科学的に分析することを得意とし、バンクーバー、ロンドン五輪、ワールドカップサッカーなどで取材。

 プロ野球が開幕した。話題は盛りだくさんだが、手始めとして、ここでは12年ぶりの日本での勝利を目指す「平成の怪物」松坂大輔に注目したい。中日ドラゴンズの先発陣の一角を担う可能性がでているほど、昨年までとは違う投球を見せ、下半身や肩の故障に悩まされていたその顔に笑みがあふれている。今年の松坂はどこが違うのか。見所を解説する。

ボストン・レッドソックス時代の松坂大輔(写真:AP/アフロ)

日本のマウンドに適応

 「下半身が日本のマウンドに適応してきた。ソフトバンク時代は、傷めた肩などをかばい、上半身と下半身がバラバラだったが、今年は下半身がしっかり使えている。足の踏み込みが強く、重心も下がっている。胸も大きく張れていて体の軸にもブレがない。そこが大きな違い」とスポーツ選手の3次元動作解析を行うフェアプレイ・データの石橋秀幸社長は、松坂の今年の投球フォームをこう分析する。

 確かに、今年1月23日に中日の入団テストを受けて合格して以来、キャンプ、オープン戦で見せた松坂の投球は、全盛の西武時代の球威には及ばないもののけがから立ち直りつつあることを示す内容だった。

中日ドラゴンズの公式ウェブサイトの「選手名鑑」松坂選手の紹介ページ

 3月4日のナゴヤドームでの楽天とのオープン戦で最速は144キロ。150キロを超える全盛期の躍動感はないものの、観客を喜ばせる「円熟味」「オーラ」を感じさせた。この速度があれば、豊富な経験で十分通用する可能性を期待させた。松坂見たさに球場は3万人を超えた。やはり客を呼べる「怪物」の片鱗を見せつけた。

 そんな松坂であるが、石橋さんは「完全復活までに大きなハードルがある」と説く。「ボールをリリースした後に腕が振れていないこと」が気がかりと指摘する。つまり、リリース直前の腕が振れていないということを意味する。

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