BBC News

2018年4月4日

»著者プロフィール

米通商代表部(USTR)は3日、中国の知的財産権侵害に対抗する措置として、25%の追加関税の対象として予定する1300品目のリストを発表した。中国政府は4日、報復措置を取ると明言した。

対象品目には医療用品やテレビ、オートバイが含まれる。エコノミストらは、中国による報復措置や米国の消費者が価格上昇を強いられる可能性があると指摘した。

前日には中国が、米国による鉄鋼やアルミニウム製品の輸入制限に対する対抗措置として、米国からの輸入品30億ドル(約3200億円)相当に対する関税を導入している。

米国が今回発表した1300品目の輸入額は、年間約500億ドルに上る。米国は2017年に約5060億ドル相当の中国製品を輸入した。

USTRは、制裁規模について「推測される米国経済が受けた損害や、中国による有害な行為、政策、慣行をやめさせるという目的の両方で妥当」だと述べた。

最終的な対象品目を決めるまでには、パブリックコメントの募集とその後の検討を含め約2カ月がかかる予定。

今回の対中制裁案は、ドナルド・トランプ米大統領が昨年指示した、中国の知的財産権に関する慣行に関する調査の結果を踏まえている。

トランプ大統領は先月、中国企業に技術移転するよう米企業が圧力を受けるなど、問題の存在が調査によって示されたとし、追加関税の対象品目リストを作成するよう指示したと述べていた。

在ワシントン中国大使館は4日、声明を発表し、この追加関税を「強く非難し、きっぱりと反対する」と述べた。

声明では関税について「このような一方的で極めて保護主義的な行動は、世界貿易機関(WTO)の基本原則と価値に大きく反している」とした。

中国政府は、米国の行動は中米両国に利益をもたらさない上、「世界経済の利益も減少させる」と述べた。

声明はまた、「中国のことわざにある通り、お返しをするのが礼儀だ」と付け加えた。

「中国側は、WTOの紛争解決メカニズムに訴えるとともに、米国製品に対し中国の法律に基づいて今回の追加関税と同等の規模と強さの措置を取る」

貿易戦争の懸念

米国の企業団体は米中両政府に対し、協議で問題を解決するよう求め、追加関税の脅しをかければ、米国の経済に悪影響を及ぼすような対立が生じる可能性があるとして懸念を示していた。

米商工会議所は、「政府が、中国との貿易関係で公平さと公正さを取り戻すことに注力しているのは正しい。しかし、米国の消費者や雇用創出を担っている主体が毎日使う製品に課税するのは、これらの目的を達成する方法ではない」と述べた。

米格付け大手S&Pグローバル・レーティングスは、中国経済の輸出依存度の低下は、関税による影響を弱めると指摘した。同社によると、中国の輸出先として米国が占める割合はわずか15%になっている。

米国が今回制裁対象として挙げた品目には、通信衛星の部品や半導体、航空機器、醸造機械などに加え、製パン用オーブンやロケット発射装置といったよりニッチな製品が含まれる。

会計・コンサルティング会社RSM USのチーフエコノミスト、ジョゼフ・ブリュスエラス氏は、米国が示した制裁リストを中国は真剣には受け止めないと考えている。ビデオカセットレコーダーのモニターといった需要の限られた商品が含まれるためだ。

一方で、主な影響を受けるのは米国の製造業者で、最終的には消費者に影響が及ぶと、同氏は指摘する。しかし、これだけではトランプ政権に別の戦略を選ばせることにはならないかもしれないという。

「現時点では、トランプ政権がこれを貫くことができなければ面目や信用が失われる」

(英語記事 US plans 25% tariffs on 1,300 Chinese imports

提供元:https://www.bbc.com/japanese/43637373

関連記事

新着記事

»もっと見る