進化する「食」

2018年4月17日

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過敏性腸症候群の治療食として注目を集める「low FODMAP diet」とは

フォドマップを紹介するブース

 3つ目の「low FODMAP diet」。

 実はこれについて、私はまったく知識がありませんでした。「これがグルテンフリーに続く2018年のトレンドだ」と聞かされ、日本に帰ってから急いで調べました。

 FODMAPは、以下の単語の頭文字からできた言葉です。

 Fermentable Oligosaccharides→発酵性オリゴ糖

 Disaccharides→二糖類

 Monosaccharides→単糖類

 And Polyols→そしてポリオール

 ここ数年、海外では腸内菌叢とヒトの健康や疾病との関係について研究が進められており、アメリカ栄養士会では、すでに過敏性腸症候群(IBS)の食事療法としてlow FODMAP dietを推奨しています。

 消化管障害に関する啓蒙・研究などを行っている非営利団体のInternational Foundation for Functional Gastrointestinal Disordersによると(※3)、現在アメリカでは2500万人から45000万人が過敏性腸症候群を発症しており、全世界では10~15%の人口がIBSに当てはまると推定されています。発症しても症状が軽いケースが多いため、気が付かずに過ごしている人も少なくありません。

 IBSは血液検査では異常はなくても、便秘や下痢、お腹の張りや痛みが続く病気で、偏った食事やストレスが一因となって引き起こされるといわれています。これまで、科学的根拠に基づく食事療法は確立されていませんでしたが、2006年以降、オーストラリアやイギリス、北欧、アメリカなどでIBSの食事療法に関する研究が盛んに行なわれるようになり、人によってはFODMAPを多く含む食品を控えるとIBSによる症状が和らぐことが明らかになってきたのです。

 食事療法は、FODMAPを多く含む食品を一定期間完全に除去した後、徐々にこれらの食品を取り入れながら、個々の不快な症状の原因となる食品を突き止めていくため、医師や食事療法を熟知した栄養士の指導のもとで進めます。

 ストレスの多い現代社会において、消化管に不調を訴える人たちにとっては、新たな食事療法として注目されることは間違いないでしょう。

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