前向きに読み解く経済の裏側

2018年4月11日

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塚崎公義 (つかさき きみよし)

久留米大学商学部教授

1981年、東京大学法学部卒業後、日本興業銀行(現みずほ銀行)に入行。主に調査関連部署に勤務した後、2005年に銀行を退行して久留米大学へ。著書に『増補改訂 よくわかる日本経済入門』(朝日新書)、『老後破産しないためのお金の教科書』(東洋経済新報社)、『世界でいちばんやさしくて役立つ経済の教科書』(宝島社)、『なんだ、そうなのか! 経済入門』(日本経済新聞出版社)など多数。

官僚の深夜残業も減らせるかも

 大臣の答弁の多くは、官僚が書いています。その事自体が問題だ、という意見は当然あるでしょうが、本稿はそこには触れません。議員から「明日、こういう質問をする」という通告を受けて、若手官僚がデータや過去の答弁などとの整合性に留意しながら答弁案を書き、その答弁で良いのか否かを省内で議論し、省内で決済をとって大臣にご説明にあがるわけです。

 夕方に質問を聞いてから準備するため、官僚の深夜残業が増えてしまうわけですが、さらには「議員からどんな質問が来るかわからない。もしかすると、自分が答弁書を書かなければいけない可能性もあるので、質問の内容がわかるまで、夜になるまで待機しなければならない」という場合もあるようです。

 優秀な官僚が国のために激務をこなしてくれるのは有難いことですが、単に待っているだけの時間が長いというのは問題でしょう。それに、政府が働き方改革を推進しようとしている時に、官僚が深夜残業をしていては、しめしがつきません。

 急がない質問は「一週間以内に回答をお願いしたい」と言われれば、官僚が仕事の濃淡を見極めながら余裕がある時に答弁を書いて決済して大臣に説明する事が出来ますから、同じだけの仕事をするための労働時間と残業時間が減るでしょう。それで困ることは何もないはずです。

「会議はインターネットで」を率先垂範しよう

 日本企業の生産性が低い理由の一つに、無駄な会議が多い事を挙げる人が多いようですが、あまり改善されていないようですね。そこは是非、国会が率先垂範して会議を効率化しましょう。

 言いたいことはネットで発信し、聞きたい事はネットで質問し、実際に人々が会議室に集まらなくても会議ができる、ということを示しましょう。全員が同じ時間に議論をしなくても、各自が仕事の合間にインターネット掲示板を見ることで会議の模様を知ることができ、会議に参加できることを示しましょう。

 余談ですが、筆者は自分が会議を主催する時は、会議資料を参加予定者全員にネットで配布し、「意見や質問があれば、全員に返信でお願いします」としておきます。それで意見を集約しておけば、本番の会議は5分で済みます(笑)。

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