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2018年4月12日

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英南部ソールズベリーで先月4日に起きた、ロシアの元スパイ、セルゲイ・スクリパリ氏(66)と娘のユリアさん(33)に神経剤が使われた殺人未遂事件で、意識を回復し退院したユリアさんは11日、ロシア大使館からの支援の申し出を「現時点では」辞退すると語った。

今週9日に退院したユリアさんは、警察を通じて出した文書で、父親が「依然として重体」だと述べた。自分の体調についても、完全なインタビューに応じるまでには回復していないが、「誰も私あるいは私の父親を代弁していない」とした。

先月4日に公園のベンチで意識不明の状態で発見されたスクリパリ氏親子には、神経剤の「ノビチョク」が使われた。スクリパリ氏は現在もソールズベリー地域病院に入院している。

ユリアさんは発表文で、「わずか1カ月余り前とは全く違う生活」になったと語った。


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安全が確保された場所に移されたユリアさんは、「特別な訓練を受けた担当官が待機していて、世話をしてくれ、今進められている捜査手続きについて説明してくれている」と述べた。

ユリアさんの退院を受けてロシア大使館はツイッターで、「ユリア・スクリパリさんの回復を喜んでいる。しかし、彼女に対してなされていることが彼女自身の意思に基づくものだという証拠が早急に必要だ」とコメントした。

https://twitter.com/RussianEmbassy/status/983629262845562881

発表された文書でユリアさんは、「友達や家族と接触でき、できるかぎりの支援をすると親切にも申し出てくれたロシア大使館との、特定の連絡先についても知らされている。現時点では支援を望んでいないが、もし考えが変わればどうすれば連絡できるか知っている」と述べた。

英政府はロシアが殺人未遂にかかわっているとしており、西側諸国とロシアの間で外交危機が生じている。

ロシア政府は関与を否定しており、英国が「偽の物語」を作り出したと非難している。

英国との連帯を表明する形で、20カ国以上がロシアの外交官への国外退去処分を発表した。

化学兵器禁止機関(OPCW)は、スクリパリ氏親子に使われた神経剤の検査を行った。英内閣府はOPCWから報告書を受け取っており、12日に要旨が発表される予定となっている。

ユリアさんが退院する前、ユリアさんのいとこで、ロシアに住むビクトリアさんがロシアの通信社や外国報道機関の取材を受けていた。

ユリアさんが9日に退院した後、ビクトリアさんはロシアのインターファクス通信に対し、どの国なのかは分からないものの、ユリアさんが政治亡命を希望していると語った。

しかし今回発表された文書でユリアさんは、ビクトリアさんの「意見や主張は私のものではなく、私の父親のものでもない」と述べた。

ユリアさんは、完全なインタビューを受けるには体調が十分回復していないものの、誰も自分や父親を代弁していないとした上で、「いとこのビクトリアが心配してくれているのに感謝しているが、現在は私を訪問したり連絡を取ったりしないようお願いする」と述べた。

(英語記事 Yulia Skripal: No-one speaks for me

提供元:https://www.bbc.com/japanese/43735346

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