海野素央の Love Trumps Hate

2018年4月16日

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海野素央 (うんの・もとお)

明治大学教授、心理学博士

明治大学政治経済学部教授。心理学博士。アメリカン大学(ワシントンDC)異文化マネジメント客員研究員(08~10年、12~13年)。専門は異文化間コミュニケーション論、異文化マネジメント論。08年及び12年の米大統領選挙においてオバマ陣営にボランティアの草の根運動員として参加。16年米大統領選挙ではクリントン陣営に入る。著書に「オバマ再選の内幕―オバマ陣営を支えた日本人が語る選挙戦略」(同友館)など多数。

米朝首脳会談と中間選挙

 トランプ大統領は、自身のツイッターに「米朝首脳会談を楽しみにしている」と書き込み、会談に強い意欲を示すと、トランプ支持者は次のように再投稿して絶賛しました。

 「トランプは1つの核も落とさずに北朝鮮を交渉のテーブルにつかせた。誰もそんなことが起きるとは考えなかった。力が機能する!」

 保守系の米FOXニュースが行った世論調査(3月18-21日実施)によりますと、63%が米朝首脳会談を支持し、不支持の30%を33ポイントも上回っています。「どちらがより良い取引を行うのか」という同調査の質問に対して、42%がトランプ大統領、26%が金委員長、19%が「どちらでもない」、14%が「分からない」と回答しました。熱狂的なトランプ信者の中には、トランプ氏が「ガンジー、マンデラ、キング牧師と並んで歴史上の偉大な調停者になる」とみている信者もいます。

 では、トランプ大統領は上下両院で過半数を維持するためには、米朝首脳会談後に、何ポイントの支持率増加が必要になるのでしょうか。

 前述しましたように、1998年と2002年の中間選挙で現職大統領が勝利を収めました。米世論調査会社ギャラップの調査(1998年10月29-11月1日)によりますと、クリントン大統領が下院で5議席を上積みした時の支持率は66%でした。他のギャラップの調査(2002年10月31-11月3日)では、ジョージ・W・ブッシュ大統領が上院で2議席、下院で8議席伸ばした時の支持率は63%です。

 ギャラップの世論調査(2018年4月2-8日)をみますと、トランプ大統領の支持率は41%です。従って、中間選挙で過半数を守るには、米朝首脳会議後に少なくとも支持率を22ポイント高め、その数字を11月6日の投票日まで維持していく必要があります。民主党の勢いや選挙戦略に加えて、必要な支持率の上げ幅を考えますと、今回の中間選挙でトランプ氏にかなり厳しい「審判」が下されても、納得がいきます。

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