2024年4月20日(土)

WEDGE REPORT

2018年4月18日

文政権からの依頼? 与党重鎮との関係が発覚
2017年の朴槿恵弾劾と大統領選挙の時も活動した可能性

 最初は単に熱狂的な支持者の暴走かと思われたこの事件であるが、警察による捜査の結果が少しずつ明らかになり、大きなスキャンダルに発展していく可能性が高くなってきた。世論操作を主導した金氏が文在寅の側近である与党議員と数百回にわたってメッセージのやりとりをしていたことが明らかになったからだ。

 この与党議員の名は、金慶洙。盧武鉉政権において大統領秘書室長を務めていた文在寅現大統領の下で当時秘書官を務め、2012年の大統領選挙においては文在寅候補公報特報、実行チーム長を務めた「親文」議員の代表格といえる存在だ。彼は6月の地方選挙に慶南知事として出馬が決まっている。

 金議員は事件が大きくなると、「(金氏からの)一方的なメッセージだ。お礼のメッセージを送ったことはあるが、相談をしたことはない」との関連を否定した。

 しかし、次々と明らかに新たな事実が、金議員だけでなく、文在寅政権を揺るがしている。

 話は世論操作に対する与党議員の関与についての「疑惑」に留まらず、逮捕された金氏が金議員と政権に対し見返りを求め、「脅迫」まがいの発言を繰り返していたことが判明したのだ。

 金氏は、今回の事件以前には、主に文在寅大統領と現与党を支持するような活動をしてきたといわれているが、警察で2016年からのコメント操作活動を行ってきたと供述している。これは、過去2017年3月の朴槿恵元大統領弾劾と5月の大統領選挙でも、金氏が文大統領に有利な方向へ世論操作する可能性が十分あることを意味する。

 もし、大統領選挙で文在寅候補側議員と共謀し、違法なインターネット世論操作を行っていたとすれば、これは政権を揺さぶる事件になりかねない。


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