WEDGE REPORT

2018年4月21日

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樋泉克夫 (ひずみ・かつお)

愛知県立大学名誉教授

中央大学法学部、香港中文大学新亜研究所、中央大学大学院博士後期課程を経て外務省専門調査員として在タイ日本国大使館勤務。著書に『華僑コネクション』『京劇と中国人』『華僑烈々―大中華圏を動かす覇者たち―』(以上、新潮社刊)など。

[著書]

日本贔屓は本当か?

 ウズベキスタンで話を聞いた日本人の多くは、ミルジエフ大統領に象徴されるように日本贔屓であり、国民は日本に好感を抱いており、ウズベキスタンは大の親日国だと口を揃える。だが日本贔屓とか親日国といったあやふやな基準で外交やビジネスを展開することは余りにも無謀で無定見というべきだろう。

 ミルジエフ大統領にとっては飽くまでも自らの政権が第一であり、アフガニスタンはなによりも親アフガニスタンであると考えるべきだろう。他国のために自らの自国の生存を犠牲にするような国は存在しないはずだ。

 「国家政策を実施するにあたってもっとも大切なことは、ある特定の国々に対して永久的な根深い反感を抱き、他の国に対しては熱烈な愛着を感ずるようなことが、あってはならないということである。(中略)好意をいだく国に対して同情を持つことによって、実際には、自国とその相手国との間には、なんの共通利益が存在しないのに、あたかも存在するかのように考えがちとなる」

 以上はアメリカ初代大統領ワシントンがアメリカの国策遂行に当たり後々の大統領に当てて記した「訣別の辞」の一部である。なおアルバート・C・ウェデマイヤー『第二次大戦に勝者なし(上下)』(講談社学術文庫 1997年)から引用した。

 一帯一路にどう向き合うのか。安倍政権は当初のスタンスを変え、一帯一路に一歩近づこうとしている。その成否いずれにせよ、我が国に大きな影響が及ぶことは避けられそうにない。であればこそ、先ずは「好悪の感情」を捨て冷静に捉え直すべきだろう。

 植林はヌクス郊外の砂漠で行われた。ヌクスとはウズベキスタン国土の西部の3分の1ほどを占めるカラカル・パクスタン自治共和国の首都である。真夏は50度に、真冬は零下30度になるという。

 ヌクス郊外の広大な砂漠を驀進する長い列車を目にした時、ユーラシア大陸は東の中国から西のヨーロッパまで陸続きであることを改めて思い知らされた。やはり中央アジアはユーラシア大陸のど真ん中だった。当たり前のことではあるが。

  
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