ビジネスパーソンのための「無理なく実践!食育講座」

2018年5月1日

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佐藤達夫 (さとう・たつお)

食生活ジャーナリスト

1947年5月30日、千葉県千葉市生まれ。1971年北海道大学水産学部卒業。1980年から女子栄養大学出版部へ勤務。月刊『栄養と料理』の編集に携わり、1995年より同誌編集長を務める。1999年に独立し、食生活ジャーナリストとして、さまざまなメディアを通じて、あるいは各地の講演で「健康のためにはどのような食生活を送ればいいか」という情報を発信している。日本ペンクラブ会員、女子栄養大学非常勤講師(食文化情報論)、食生活ジャーナリストの会事務局長。主な著書共著書に『食べモノの道理』(じゃこめてい出版)、『栄養と健康のウソホント』(一般社団法人家の光協会)、『これが糖血病だ!』(女子栄養大学出版部)、『安全な食品の選び方・食べ方事典』(成美堂出版)、『野菜の学校』(岩波書店)、『新しい食品表示の見方がよくわかる本』(中経出版)ほか多数。講演活動では、「あなたはなぜやせられないか?」「生活習慣病は自分で治す」など肥満や糖尿病のメカニズムや、「健康長寿のための食事と生活」という食生活と健康にまつわる最新情報を、医師の視線ではなく、一般の人にわかりやすいことばで提供する。あるいは、健康を保つ上で欠かせない技術としての「安全な食品の選び方」や「食品表示の見方」あるいは「健康にいい野菜の栄養情報」を、やさしく解説する。また、長年、女性雑誌を編集してきた立場から、「男性の家事が社会を変える」「中高年からの二人暮らし」などのテーマで、男性の家庭内自立を説く。

「低カロリー=ヘルシー」なのではない

「ヘルシー」という言葉がもてはやされている。
筆者は、料理や食の場面で使われている「ヘルシー」に、じつは大きな違和感を抱いている。
誤った認識からは正しい結論が得られない。

「ヘルシーな食事」といえば野菜たっぷりのサラダを思い浮かべる人も多いと思うが……(iStock/demaerre)

マスコミやネット上で「ヘルシー」という言葉がどういう状況で使われているかを調べてみた。
圧倒的に多いのが「低カロリーである」という意味。
性別を問わず、生活習慣病の治療あるいは予防のために減量が必要な人にとっては低カロリーの食事は、たしかにヘルシーだ。

問題は「とにかくスリムになりたい」という女性の食事法。
「これをしてはいけない」わけではなく、実行するのは個人(大人の場合に限る)の自由だが、それをヘルシーと表現してはならない。
健康的とされている体重【※1】の下限ギリギリの人が、それ以下にダイエットするのはヘルシーではなく「不健康」である。

もう少し詳しく分類してみよう。
ヘルシーと表現されている「食材」には次のようなものがある。
野菜全般・海藻類・きのこ類・こんにゃく類・豆類・豆腐やおからや納豆など。
お気づきと思うが、圧倒的に植物性食品に多い。
植物性食品が動物性食品よりもヘルシーだという誤解は、いつ・なぜに生ずるようになったのだろうか?

もし、動物性食品を食べすぎて栄養バランスが偏っている人がいたら、その人にとっては、植物性食品はヘルシーである。
しかしそうではない人、たとえばアフリカや南米で、毎日、芋や豆や穀物や野菜ばかり食べている子どもたちにとって、これらの食品はヘルシーでも何でもなく、動物性食品こそがヘルシーである。
わざとらしくアフリカや南米の例を出さずとも、日本でもそういう子どもは(大人も)大勢いる。
「植物性食品がヘルシーである」などということはけっしてないのだ。

【※1】http://www.jasso.or.jp/data/office/pdf/guideline.pdf

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