BBC News

2018年4月24日

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カナダ・トロントの警察は23日、男がバンを運転して歩行者を次々とはね、10人が死亡し、15人が負傷したと発表した。警察は現場から少し離れた路上で、運転手とみられる男性を逮捕した。

調べによると、23日午後1時半(日本時間24日午前2時半)ごろ、ヤング通りとフィンチ通りで起きた。車両はヤング通り沿いの長さ2キロにわたって、繰り返し歩道に乗り上げ、歩行者をはねたという。

現場から約30キロ離れた市の中心部では、カナダのほか日本、米国、英国、フランス、ドイツ、イタリアの主要7カ国(G7)外相会議が開かれていた。

トロント警察のマーク・ソーンダース本部長は記者会見で、トロント郊外リッチモンド・ヒル在住のアレック・ミナシアン容疑者(25)を逮捕したと発表した。意図的な犯行のようだが、動機はまだ不明という。警察は容疑者についてこれまで把握していなかったと、本部長は話した。

警察は現場から通りをいくつか越えた路上で、容疑者としばらく強い調子でやりとりした後、逮捕した。通行人が撮影した動画には、警官隊に手にした何かのものを向ける容疑者と、容疑者に手を下ろして伏せるよう怒鳴る警官たちの様子が映っている。双方とも発砲のないまま、容疑者は逮捕された。

トロント警察のピーター・ユアン副本部長は、目撃証言を求めていると呼びかけ、これから「長い捜査」が続くと話した。被害者の家族や目撃者のために、特別の電話番号を設置したという。

カナダのラルフ・グッダル公共安全担当相はツイッターで、「ヤング通りとフィンチ通りでの恐ろしい攻撃に対する、トロント警察とその他の救急担当の勇敢でプロフェッショナルな対応に感謝する。カナダ人は愕然としている。犠牲者と家族の皆さんに、深くお悔やみを申し上げる」と書いた。

https://twitter.com/RalphGoodale/status/988522493748109312

ヤング通りでビデオ店を経営するレザ・ハシェミさんはBBCに、通りの反対側から悲鳴が聞こえたと話した。白いレンタル・バンが何度も歩道に乗り上げ、歩行者をはねたようだという。

バンの後方で車を運転していたという男性は地元シティ・ニュースに、運転手が「前にあるものは何でもはねていた。人だろうが、消火栓だろうが。郵便箱も」と話した。自分は車のクラクションを鳴らして、歩行者に注意しようとしたという。

「少なくとも6人か7人がはねあげられて、路上で殺されるみたいだったのを目にした」

現場で撮影されたと思われる映像には、武装警官や救急隊員が負傷者を手当てする様子が映っている。遺体が入っていると思われるオレンジ色の袋が、救急車に運び込まれる様子も映っていた。

レンタル会社ライダー・システムは、自社の車両が1台、事件に関わっていたことを認め、捜査当局に協力していると話した。

カナダのジャスティン・トルドー首相はオタワからツイートし、「トロントのヤングとフィンチで起きたひどい出来事に影響を受けたすべての人に、思いを寄せています」と書き、現場で対応する警察や救急隊員に感謝した。

トロントのジョン・トーリー市長は「ひどい悲劇だ」と述べ、トロント市として警察の捜査支援のためあらゆる協力を惜しまないと話した。

欧米や豪州では近年、車両を使って歩行者を襲撃する事件が増えている。昨年10月にはニューヨークで男がバンで自転車レーンを暴走し、8人を殺害した。


<現場から> 住民は呆然――ジェシカ・マーフィー、BBCニュース(トロント)

警察はトロント・北ヨーク地区を走るヤング通りの相当部分を、黄色いテープで立ち入り禁止にした。複雑な現場捜査のためだという。

複数の地点で、歩行者が被害に遭った。ひとつの交差点では、色々な破片と片方だけの靴が残されている。人が1人、亡くなった場所だ。

月曜の昼食時に起きた事件の後、いつもなら用事を済ませたり周りのオフィスビルに戻っていくはずの人たちが、呆然とした様子で、自分たちが見たこと、聞いたことを話し合っていた。

しかし、なぜこのようなことが起きたのか、理由はまだはっきりしない。


(英語記事 Toronto van: Ten dead and 15 injured as pedestrians are hit

提供元:https://www.bbc.com/japanese/43875356

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