世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2018年5月17日

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 中国は、COCの枠組みへの合意の後も、南シナ海の軍事化を全く緩めていない。5月2日に米CNBCテレビは、中国がスプラトリー諸島のファイアリー・クロス、スビ、ミスチーフの各礁に対艦巡航ミサイルと地対空ミサイルを配備した、と報じている。中国外交部の華春瑩報道官は、スプラトリー諸島の軍事拠点化について、主権国家として当然の権利である、と述べている。米国は、ホワイトハウスや国防総省の報道官が対抗措置をとるとしている。航行の自由作戦の継続、強化ということであろう。

 南シナ海問題は、国際仲裁裁判所が中国の「九段線」の主張を却下する判決を下したことや、中国が航行の自由を深刻に脅かしていることを考えれば、ASEANの枠組みにとどまるものではなく、国際社会として対応すべき問題である。西側の主要各国が航行の自由の維持に強い関心を持つことが望まれる。この点、米国による南シナ海における航行の自由作戦だけでなく、英国が東シナ海において日本の海自と共同演習をしたり、詳細は未公開ながら南シナ海に艦船を送り込んだりしているほか、フランスもマクロン大統領が5月初めの豪州訪問において、インド太平洋地域のルールに基づく発展への支持と覇権への反対を表明するなどしている。もちろん、これだけでは全く不十分ではあるが、歓迎すべき動きであると言えよう。

  
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