WEDGE REPORT

2018年5月15日

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堀成美 (ほり・なるみ)

国立国際医療研究センター 感染症対策専門職

神奈川県生まれ。神奈川大学法学部、東京女子医科大学看護短期大学卒業。感染症科外来勤務の後、国立感染症研究所FETP、聖路加国際大学看護学部を経て、2013年より現職。感染症の流行の早期対応、予防啓発に取り組む。

 外国人労働者の扶養加入といったことは、経営者が親切心で行っているということもあるだろう。しかし、健保組合も運営が厳しくなっており、組合を解散して協会けんぽに加入するといった動きもみられるようになってきた昨今、協会けんぽは、こうした実態を認識して扶養加入の審査体制を見直す必要がある。

 医療機関や医療者にできることは何か。保険のない外国人の医療費が未収金になるよりマシではないかという声も聞くし、患者が減るより増える方がいいという切実な事情を抱える人たちもいるだろう。しかし、この問題は放置すれば、財政的なことだけでなく、保険や年金という信頼で守られる制度がダメージを受けること、実際にはごく一部の人たちの行いであるのに、外国人全体に批判の目が向けられかねないリスクをも孕んでいる。

 勉強会に集まる医療者の多くはこのことを危惧しているが、今後、不適切と知りながら収益のために事実とは異なる書類の作成や制度利用に加担するような医療機関の存在が明るみに出れば、現行医療制度そのものの信頼を失いかねないのではないだろうか。各領域でできることはあるので、ぜひご検討いただきたい。

  
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◆Wedge2018年5月号より

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