World Energy Watch

2018年5月15日

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再エネの脆弱性克服にはコストがかかる

 昨年暮れから今年初めの冬の嵐でも、米国北東部の電力供給に問題が生じた。表が示す460万kWの設備を持つ風力発電設備と160万kWの太陽光発電設備の大半が発電できなくなったのだ。

 

 風力発電は台風、嵐の時には損傷を避けるため羽を畳まざるを得ない。図‐2が示す通り、冬の嵐来襲により電力需要が増加する一方、稼働していた再エネ発電設備は600万kWから3分の1に落ち込むことになった。

 この風力、太陽光発電量の落ち込みを補ったのは、天然ガスよりも燃料価格が高くなったため稼働率が落ちていた石炭火力とピーク時に利用されることが多い石油火力だった。図-3が示す通り、急増した電力需要を火力発電からの出力増で賄うことができたのだ。

 今年1月には、首都圏でも大雪により太陽光パネルが使用できなくなり、電力供給が厳しくなった。東北電力、中部電力などからの電力融通により停電の事態は免れたが、広範囲に雪の影響があれば、電力融通も難しくなる。

 風力、太陽光発電は天候次第で利用できなくなることがある。再エネの発電量が増えるに従ってその影響は大きくなり、発電能力に脆弱性をもたらすことになる。脆弱性を克服するには蓄電池、あるいは発電能力に余剰がある際に高い場所にある池に水を揚げ、需要発生時に水を落とし発電を行う揚水設備のような蓄電装置が必要になる。問題は蓄電装置のコストが高く、短期間でそのコストが下がる可能性がないことだ。

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