BBC News

2018年5月15日

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英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)でEU側の首席交渉官を務めるミシェル・バルニエ氏は14日、英国との協議について、3月以来の進展は「わずか」だとEU加盟各国政府に報告した。

バルニエ氏は、北アイルランド問題と離脱協定の管理という2つの主要な交渉分野で「失敗の危険性」があると述べた。

同氏は6月に予定されるEU首脳会談が、英国の離脱前に交渉が締結に至るための「鍵となる会合」だとしている。

また、バルニエ氏は欧州の新たな衛星測位システム「ガリレオ」への英国の関与をめぐり、EUの姿勢を擁護した。

英国はこれまでガリレオ開発に主要な役割を果たしてきたが、ブレグジット後はガリレオの主要機能にアクセスできなくなる可能性に直面している。

英国政府は現在、自国向け類似システムの開発を検討している。

ガリレオをめぐる争い

バルニエ氏は、ガリレオをめぐる報道に「誤解」があるとし、「我々は英国をガリレオから締め出そうとしていない。英国は一方的かつ自発的にEUからの離脱を決定した。離脱には、EU事業からの退出も含まれる」と述べた。

同氏によると、EUの規則では英国と英企業は「安全保障上の機密となる事柄の開発」には参加できない。ただし、暗号化されたガリレオ信号を第三国として利用できないという意味ではないという。

バルニエ氏の発言に先立ち、サム・ジマー科学相はEUの見解を「極めて期待外れ」だと述べた。

ジマー氏はBBCラジオ4のニュース番組「トゥデイ」に出演し、「EUは我々に強硬な態度をとっている」と語った。

「我々はガリレオ・システムの開発を支援してきた。セキュリティーで守られた部分に加わりたいし、英企業が公正な基準で契約に入札できることを望んでいる」

「英国がガリレオに参加するには、この条件しかあり得ない」

交渉に関するバルニエ氏の発言

バルニエ氏は、英国のEU離脱をめぐる最近の交渉の進捗についてEU加盟各国に報告したあと、報道陣の質問に答えた。

3月以来の交渉の進展についての質問に、バルニエ氏は「わずかだと思う。非常にわずか、ではないが」と答えた。

英国は2019年3月にEUを離脱する予定。バルニエ氏によると、離脱後の移行期間がどうなるかは、英国とアイルランド共和国の間にある北アイルランド国境の問題について、「運用による解決案」が見つかるか次第だという。

最終的な離脱協定には英国、欧州議会、EU理事会による協定の批准が必要で、その期限は今年10月または11月となっている。この10月や11月を前にした協定の合意に「時間は迫っている」とバルニエ氏は語った。

「そのため、進展はわずかだが、我々は技術的問題に取り組んでいる。それが常に重要だ」

「無視してよい問題はない。失敗の危険性がある2つの重要な論点が残っている。離脱協定の管理と、アイルランド―北アイルランド国境の問題だ」

関税の問題

ただし英政府は、北アイルランドとEUの国境に税関検査を設けるのを避けるため、関税同盟に代わる仕組みを模索することにしている。

テリーザ・メイ英首相は関税をめぐる2つの提案を発表するため、首相官邸で保守党議員と会合を持った。

ジェレミー・ハント保健相は会合に先立ち、英国とEUが関税パートナーシップを結ぶ案を「ばかげている」と述べたボリス・ジョンソン外相に対し、議論の中身を外部の漏らさないよう警告した。

ハント氏は「EU側からすれば、もし彼らが公に分裂を見て取れば、それを利用しようとするだろう」と述べた。

ジョンソン氏は14日に開いたジャン=イブ・ル・ドリアン仏外相との共同記者会見で、首相との意見の相違にもかかわらずなぜ辞任しないのかと質問されたものの、同氏はパートナーシップ案への批判を繰り返さず、メイ氏の見解は「完全に正しい」と考えていると述べた。

閣内のブレグジット協議委員会は、関税問題で分裂している。同委員会はメイ氏と主要閣僚が参加して15日に再び開かれる。

(英語記事 Brexit: 'Little progress' in talks since March, says Barnier

提供元:https://www.bbc.com/japanese/44118775

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