世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2018年5月30日

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 米国のマティス国防長官、フィンランドのニーニスト国防相、スウェーデンのハルトキヴィスト国防相は5月8日、ペンタゴンで会談し、防衛協力強化についての3か国間の趣意書に署名した。この際の、マティス長官による両国防相歓迎スピーチの要旨は次の通りである。

(iStock.com/Svetaleo/SERG_AURORA/fotokostic)

 我々は、国際法により地域と世界の安定を支えている。両国がグローバルな秩序を支持する安全保障上の真摯な取り組みをして、ウクライナからシリアに至る不幸で非生産的で不安定化を招くロシアの選択により緊張が高まる地域において安定の礎となっていることに敬意を表する。

 フィンランド、スウェーデン、米国は、地域的なチャレンジについての共通の理解を維持し、団結して対処する。ハルトキヴィス大臣が昨年述べた通り、欧州と大西洋における共同のアプローチが鍵となる。国境線を武力で引き直し民主国家の政治・外交・経済・安全保障上の決定に拒否権を行使しようとするロシアに直面している時にあって、とりわけそれが当てはまる。

 フィンランドとスウェーデンは、こうした国際法の無視が地域の安全と安定に色々な形で脅威を与え得ることを直接的に知っている。約80年前のソ連によるフィンランド侵略、ジョージアやウクライナの件、冷戦中のソ連によるスウェーデンの領海侵犯などである。

 ロシアの今日の行為は、法の支配や領土の保全の尊重が守られなければならないことを我々に想起させる。その文脈で、フィンランドとスウェーデンのグローバルな安全保障への強い関与に敬意を表したい。

 ISIS打倒の有志連合やアフガンにおけるNATOの任務への貢献に感謝する。両国は、人権、グローバルな市民権、民主主義の防衛において模範となっている。

 将来を見据えると、我々は、北極におけるパートナーシップを強化し続けるだろう。両国は、この益々重要性を増す地域について多くの知見をもたらしている。現在、フィンランドは北極評議会の議長国を務めており、スウェーデンは2011年から2013年まで議長国だった。

 今日、我々は、我々の軍事的協力を次の段階に引き上げる趣意書に署名した。関係は常に変化し、強くも弱くもなり得る。ニーニスト大臣が昨年11月に述べた通り、ともに前進しよう。

出典:‘Secretary Mattis Hosts an Armed Forces Full Honor Arrival Welcoming Finland Minister of Defence Jussi Niinistö and Sweden Minister of Defence Peter Hultqvist to the Pentagon’(U.S. Department of Defense, May 8, 2018)
https://www.defense.gov/News/Transcripts/Transcript-View/Article/1515540/secretary-mattis-hosts-an-armed-forces-full-honor-arrival-welcoming-finland-min/

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