2024年4月25日(木)

ちょっと寄り道うまいもの

2011年4月2日

 その後、近くのバーに流れたはずだが、さて、何という名前のバーだったか。居心地良く、ハイボールを飲んで千円札でおつりが来たことだけは覚えている。チャージもなかったのだろう。
翌日。楽しさに味をしめて、予約を入れてもらったのが、韓国料理の「ほうば」。こちらも予約さえ大変な人気らしいのだが、運が良かった。カジュアルでこぢんまりとした店ながら、すっきりとした風情。

 看板料理というナムルの全品盛り合わせ。

 モヤシ、ニンジン、ワラビ、ホウレンソウといった一般的なものから、ミョウガ、セロリ、ミツバ、キンシンサイ、ジャガイモ、クレソン、キクナ、マコモダケ、ナス、チシャトウといった珍しいものも。さらにお店の名前、ホウバ(ズッキーニの仲間の韓国カボチャ)までのナムルが並ぶ。季節により、日によってはそのラインナップも代わるが、ともあれ、それぞれ、独自の味付けで作られている。

 加えて、白菜キムチ、カクテキ、カブラ、チンゲンサイのキムチあたりまで並べたら、野菜だけでも満ち足りる。真っ当な野菜でちゃんとした調理をしたものだとすぐに分かる味わいだから。これだけで十分に飲めてしまいそうなのだ。まあ、ほかにも美味しいものがいっぱいあるから、それはそれで悩ましいのだけど。

 オーソドックスに丁寧に、昔ながらの料理を作るだけではない。むしろ、真骨頂は新しい味わいかもしれない。たとえば、アワビのお粥。まるで韓国式お粥とイタリアのリゾットを合わせたような味わい。それが楽しくも美味しい。幸せになれる味。

 発見と満足に浸っていると、このあたりにいると聞きつけた、別の友人から連絡がはいった。鉄板焼きでワインを飲ませる「コアラ食堂」で、ボトルを開けているから合流しないかと。黒豚バラ肉のフルーツトマト包み焼きとか、九条ネギを焼いたのとかでワインが楽しいよ。絶対に気に入るから。

 でなければ、これから、カクテルの中でもモヒートをメインで、その名も「モヒート セブン」というおもろいバー(なにせ、基本のモヒートだけでも七種類ある)に流れるから、そちらででも。

 まったく。まだまだ、発見がありそうだ。個人的には駅のすぐ側の路地裏で見かけた、禁煙立ち飲みという看板に惹かれて、試してみたいと思っていたのだけど、うーん。

 とりあえず、メインを一軒、予約などで決めておき、後は流れで、が楽しそうなのが天満の夜である。お楽しみはこれからだ。 

■豪火
大阪環状線天満駅から徒歩約6分
大阪市北区天満橋3-4-25 ☎06(6358)3585
営業時間/17時30分~22時30分
定休日/水曜
■韓菜酒家ほうば
大阪環状線天満駅から徒歩約5分
大阪市北区天神橋5-3-10 ☎06(6353)0180
営業時間/17時~23時
定休日/木曜

◆ 「ひととき」2011年4月号より

 

 

 

 

 

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