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2018年6月8日

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土方細秩子 (ひじかた・さちこ)

ジャーナリスト

ボストン大学コミュニケーション学部修士課程終了、パリ、ロサンゼルスでテレビ番組製作に携わり、1993年より米国でフリーランスのジャーナリスト活動を行う。

公約が果たされてないことの裏返し

 ネット上でさらされ、多くがエネルギー省によるもの、と考えられるこの文書の出所は明らかになっていない。しかしホワイトハウスのサンダース報道官が「トランプ大統領がエネルギー省のリック・ペリー長官に対し、石炭、原子力発電所の閉鎖にこれ以上拍車をかけないように進言した」と語っており、この文書はそれを可能にするためにエネルギー省が考え出したスキームと考えてほぼ間違いない、と見られている。

 もし電力会社に対し石炭や原子力からの電力購入を義務付ける法律が施行されれば、電力会社は大きく反発するだろうし産業への政府の介入として大問題に発展する可能性もある。文書が出た時点ですでに電力会社側からは「消費者がどのような燃料を使った電力を購入するのかを政府が決定する権利はない。また文書が指摘する信頼性の欠如については、現在のシステムで十分な信頼性を構築できている」と真っ向から否定する意見が出されている。

 見方を変えればこのような文書が出てくるのはトランプ大統領が石炭産業を守る、という公約がまったく果たされていないのが現状、とも言える。2020年の大統領選挙への意欲満々と言われるトランプ大統領にとって、ラストベルトからの支持を保ち続けることは生命線でもある。この問題、今後憲法解釈も含めた大議論に発展する可能性は極めて大きい。

  
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