使えない上司・使えない部下

2018年6月13日

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 京子さんは、相手の選手のよさを引き出すのが上手いんです。相手のことをよく考えて、相手の技をきちんと受けて、光らせる。だから、京子さんも光るんですよ。相手を生かせば、自分も生きる。私はそんなところにとても魅力を感じて、この先輩についていこうと思ったんです。

 私は後輩を育成することがあまりできなかったから、「使える先輩」ではないんじゃないかな。上の人からすると、あるときは「使える後輩」だったのかもしれないけど…。私は、先輩たちに気を使うことを苦痛に感じたことは1度もありません。むしろ、そのほうが精神的に楽でした。後輩たちとお酒を飲むときには結構、気を使っているんです。楽しんでいるかな、とか…。そんなところまで考えるから、疲れちゃうんですよ。

 それで(居酒屋の)店主が務めるのか、と疑問に思いますよね。私は、人に恵まれたんですよ。このお店の場所は、カブキさん(ザ・グレート・カブキ)が長い間、居酒屋を経営されていたところなのです。カブキさんのもとで、2年間ほど修行をさせていただいたんです。カブキさんと奥さん、娘さんで店を切り盛りされていて、そこに私が入れてもらったのです。奥さんのことを私は「ママ」と呼んでいました。
 
 勉強になることが、多かったですね。ママが上手いんですよ。たとえば、私がちょっと気がつくことがあったのです。だけど、カブキさんに言うと、口ごたえをしているような印象があるかもしれない。だから、黙っていたんです。カブキさんは、プロレスラーとしてすごい実績の方ですから、私なんかが何かを言うと、失礼ですよね。

 だけど、あるとき、ママにちょっと言うことがあったんです。ママは、カブキさんにもいいように、私にもいいように調整をしてくれるんです。ママは、すごいですよ。カブキさんもですけど…。私が言うのもおこがましいんですけど、あのファミリーの中に入れていただいて、嫌な思いが1度もないんです。楽しい日々でした。カブキさんには、(この連載の記事に登場した)キラーカーンさんのお店にも連れて行っていただきました。カブキさんとカンさんは長いおつきあいみたいで、旧知の間柄という雰囲気でしたよ。

管理ができないお前こそ使えねぇんじゃないの? と言いたくなった

 人に恵まれたという点では、開店のときから、副店長のような立場で支えてくれる藤本由美の存在が大きいんです。全女のときの同期ですよ。プロレスの選手は互いに「仲間」ではあるんですけど、「友達」とは言えないのです。やはり、ライバルなんですね。自分の弱さとか、いやなところまでさらけ出すことが、なかなかできない。だけど、藤本には見せることができる。やさしいんですよ。私のいやところを見せても、嫌わないから…。実は、嫌っているのかもしれないけど…(苦笑)。

 ぶつかりあい? そりぁ、ケンカは時々しますよ。お互い、仕事に真剣に取り組んでいるんですから。仕事上のことで意見が違ったりすることは、問題でないと思う。殴り合い?さすがに、ないですね(笑)。2人とも、暴力は嫌いですから。プロレスは、暴力ではないですよ。

 ある日の昼に、彼女と店内で口論になったんです。その日の夜にお客さんが来られて、彼女に話されたようなのです。「2人の雰囲気がちょっとおかしい…」って。私と藤本のケンカを見抜かれたんでしょうね。その後、藤本からラインで連絡があって、「じゃあ、これで仲直りね」って返信をしました。「これからは、ケンカをしても、開店の時間になったら終わりにしよう」って。

 私が先に謝んなきゃいけないのに。お客さんに見抜かれていたんじゃ…。

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