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2018年6月20日

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米・メキシコ国境を越えた不法移民の親子を引き離す政策への反発を受け、米共和党議員が法案の策定に奔走している。

ホワイトハウスの報道官によると、ドナルド・トランプ米大統領は共和党議員らに対し、どんな移民法案でも可決されたものは支持すると語った。

共和党が過半数を占める米下院は、移民政策に対する各方面からの激しい批判を受け、これを緩和する圧力にさらされている。

しかし、トランプ大統領は不法な越境を減らすことは重要だとしている。

19日夜に連邦議会議事堂で共和党議員らと会談したトランプ大統領は、「よい話し合いができた」と述べた。

協議が進展したかどうかは明らかではないが、ホワイトハウスのラージ・シャー報道官は、トランプ氏が議員らに対し彼らの移民法改正案を支持すると述べたと発表した。

トム・コール議員によると、トランプ氏は会談の中で、親子を引き離す措置は「全く魅力的でないし悪い印象を与える」と語った。

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会談に先立ちトランプ氏は、親が米国境を不当に越えた結果、拘束されているなら、子どもたちは引き離されなければならないと話していた。

米国の移民当局によると、ジェフ・セッションズ司法長官が導入した移民に対する「ゼロ寛容」政策で、5月5日から6月9日までに2342人の子どもが2206人の親から引き離されたという。

最新の反応は?

メキシコのルイス・ビデガライ・カソ外相は、米国の移民政策は「残酷で非人間的」であり、明らかに人権を侵害していると述べた。

米国の二大経済団体、米商工会議所とビジネス・ラウンドテーブルは、政策が「米国の価値観に反している」として、トランプ政権に中止を訴えた。

またこれまでに、共和党を支持する2州を含む少なくとも8州の知事が、米・メキシコ国境に州兵を送る決定を取り消した。

ロイター通信と調査会社イプソスが共同で行った調査では、ほとんどの米国人がこの政策に反対しており、支持すると答えた回答者は28%に過ぎなかった。

「ゼロ寛容」政策とは?

トランプ政権が5月に開始した「ゼロ寛容」政策では、不法入国した成人は初犯か常習かにかかわらず拘束し、刑事裁判にかける。

未成年は親と共に拘束されず、保健福祉省が管轄する別の施設にとどめられる。

オバマ前政権では、初犯の場合は法廷への召喚だけが求められる傾向にあった。

しかしトランプ政権は、ほとんどの移民が召喚に応じなかったと指摘している。

ホワイトハウスは、移民対策の説明に使われている用語についても反論している。

国土安全保障省は、一連の対策は「政策」ではなく「構想」だと述べている。

また、子供たちが金網で仕切られたコンクリートの床の区画に収容されていた施設は「檻」ではなく「シェルター」だとしている。

トランプ大統領と共和党議員は何を話した?

米下院は今週、穏健な移民法改正案への採決の準備を進めている。

妥協案として親子の個別収容を制限するものの、全面禁止はしないもよう。また、未成年時に証明書を持たずに入国し成人した「ドリーマーズ」と呼ばれる移民に対し、米市民権を得る手段を提供する。

さらに、国境警備に250億ドル(約2兆7500億円)を拠出する。これにはトランプ大統領が計画する米・メキシコ国境の壁も含まれる。

AP通信によると、法案ではさらに、現在の収容可能期間より長く子どもを収容できるようにする代わり、その場合は親と同じ場所に収容することを定める予定だという。

ミッチ・マコネル共和党上院院内総務は、上院では民主・共和両党が連携できるよう「民主党に働きかけたい」と話した。しかし民主党は、トランプ大統領が自身の政策を取りやめればよいだけで、議会の対応は必要ないとしている。

(英語記事 Republicans scramble amid border crisis

提供元:https://www.bbc.com/japanese/44543486

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