田部康喜のTV読本

2018年6月28日

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田部康喜 (たべ・こうき)

東日本国際大学客員教授

福島県会津若松市生まれ。幼少時代から大学卒業まで、仙台市で暮らす。朝日新聞記者、朝日ジャーナル編集部員、論説委員などを経て、ソフトバンク広報室長に就任。社内ベンチャーで電子配信会社を設立、取締役会長。2012年春に独立、シンクタンク代表。2015年10月から東日本国際大学客員教授として地域振興政策を研究、同大・地域振興戦略研究所副所長を兼務。

(almoond/iStock / Getty Images Plus)

 NHK朝の連続テレビ小説「半分、青い。」は、ヒロインの楡野鈴愛(にれの・すずめ、永野芽郁)が漫画家デビューを果たしたが、連載打ち切りの憂き目にあって、師匠の秋風羽織(豊川悦司)のアシスタントに舞い戻った。そのかたわら、引っ越し作業のバイトで生活費を稼ぐ日々である。

 鈴愛は「一大発明」をするあら筋が公表されている。ドラマは終盤に向かって、幼馴染の萩尾律(佐藤健)との恋愛模様も加わって佳境に入るのだろう。

若手女優が演技を競う、純愛の物語

 いま、この若手女優を見よ、というならヒロインの永野芽郁(ながの・めい)は間違いなくそのひとりである。子役でデビューし、これまで出演してきた映画、ドラマは多い。

 現在18歳の若手女優に対して代表作というのは、まだまだ早いことをわかっていながら、映画「俺物語!!」(2015年、河合勇人監督)は、永野の演技力を映画、ドラマ界に知らしめた。永野が演じる女子高校生の片思いの相手には、大河ドラマ「西郷どん」の隆盛役の鈴木亮平が。鈴木演じる高校生は永野の愛が、同級生で親友の坂口健太郎に向かっていると勘違いしている。純愛の物語は、夕陽に照らし出された橋の上で、鈴木が永野の愛にようやく気づくことで幕が下りる。

 「半分、青い。」もまた、純愛の物語である。鈴愛(永野)と律(佐藤健)は、岐阜県東美濃地方の山間の町の産婦人科で、7月7日の同じ日に生まれた。鈴愛は幼少期におたふく風の後遺症で左耳の聴力を失う。そんな彼女を律はいつもかばうようにして過ごした。

 高校卒業後、律はロボット工学を目指し、鈴愛はたまたま名古屋に講演にやってきた、漫画家の秋風(豊川)の事務所で修業をすることになる。

 律がつき合っていた女子大生をめぐって、気持ちのすれ違いが生じ、鈴愛は律と距離を置くことになる。その後、彼女は漫画雑誌に連載を持ち、アシスタントを持つまでになった。律は、東京の大学から教室の教授が異動したのにともなって、京大の大学院生になっていた。

 ふたりが生れた産科婦人科の女医・岡田貴美香(余貴美子)の還暦祝いがきっかけとなって、鈴愛と律は再会する。24歳になっていた。列車を待つ小さな駅で。

律  「鈴愛、結婚しないか」
鈴愛 「えっ」
律  「京都に一緒に行かないか」
鈴愛 「ごめん……無理だ」
律  「そうだよな。冗談だ」
鈴愛 「むっ」
律  「冗談というか、本気だ。鈴愛との関係は、兄弟っていうか、ソウルメイトだよな。いまのは忘れてくれ」

 その4年後も、鈴愛はあの時に「結婚する」といわなかったことを後悔している。「ぐんぐん売れるつもりで、その時に逆プロポーズするつもりだった」というのである。

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