今月の旅指南

2018年7月20日

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狩野直美 (かのう・なおみ)

東京生まれ。フリーライター。旅行業界誌の記者・編集者を経て、1994年からフリーランスに。主に海外旅行関連誌、ウェブマガジン等に記事を執筆中。

 太鼓や鉦(かね)を盛大に打ち鳴らすことから、「日本一やかましい祭り」といわれる三重県の桑名石取祭(くわないしどりまつり)。毎年8月の第1日曜とその前日の土曜の2日間にわたり、市内の春日神社を中心に祭車(さいしゃ〈山車〉)が巡行、熱気と喧噪(けんそう)に包まれる。

 桑名石取祭は国指定重要無形民俗文化財で、ユネスコ無形文化遺産「山・鉾・屋台行事」の一つ。祭りの起源は、春日神社の氏子たちが社地整備のために荷車を使って、市の南を流れる町屋川(員弁〈いなべ〉川)から石を運んだことに由来するという。慶長18年(1613)の採石に関する記述が残されており、その後、祭礼へと発展したとみられる。

 桑名石取祭は、土曜を「試楽(しんがく)」、日曜を「本楽(ほんがく)」とし、金曜から土曜に日付が変わる深夜0時、春日神社の宮司による神楽太鼓を合図に、一斉に太鼓と鉦を打ち鳴らす「叩き出し」で、スタートする。

 見せ場となるのが、本楽の18時30分から始まる「渡祭(とさい)」だ。40台近い各町の祭車が春日神社楼門前に集まり、順番に囃子(はやし)を奉納する。渡祭が終わると、祭車が並んで囃子を競演する「曳き別れ」を経て、それぞれの町内へと戻っていく。

渡祭では各町の祭車が気迫あふれる囃子を披露

 祭車は、珍しい3輪形式で、山型に飾った12張の提灯をはじめ、趣向を凝らした彫刻や蒔絵などが施されており、本楽13時からの整列時には間近に眺められる。

●桑名石取祭
 <開催日>2018年8月4日~5日 

 <開催場所>三重県桑名市・春日神社など(関西本線桑名駅下車)
   <問>桑名市物産観光案内所 ☎0594-21-5416

   URL:http://isidori.jp/

*情報は2018年6月現在のものです。料金・時間・休館日などの詳細は、お出かけの際、現地にお確かめください

  
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◆「ひととき」2018年8月号より

 
 


 


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