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2018年7月11日

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米トランプ政権は10日、保護者と引き離された5歳以下の移民の子供102人のうち、27人について「再会が妥当とされない」と判断を示した。裁判所への提出資料から明らかになった。

米政府は、このほか12人の子供の親がすでに米国から強制送還されていると明らかにした。

当局者によると、「妥当かつ物理的な障害」のために、102人のうち多くの子供が親と再会できずにいる。

正式な入国書類を持たない親など保護者と一緒に米国に入った移民の子供3000人近くが、保護者から引き離された状態にある。

裁判所は米政府に対し、10日までに子供たちを保護者と再会させるよう命じていた。

法務省と米自由人権協会(ACLU)が共同でまとめ、10日に提出した現状報告書では、5歳以下の移民27人が保護者の元に戻れない理由が説明されている。

報告書によると、10人の子供の親は不法入国した容疑で刑事訴追されたため、依然として勾留中で、司法手続きが完了していない。

8人の子供については、薬物犯罪や密入国あっせん、殺人、強盗といった「深刻な犯罪歴」が親にあることが理由だとしている。

また、児童虐待の危険があるため、親と再会させられない子供が2人いるという。

このほか、親でない大人と一緒に入国し引き離された子供が5人いるほか、親が伝染性の病気にかかっているため再会させられない子供が1人いる。

親の居場所が1年以上分かっていない子供も1人おり、記録では親子とも米国市民でさえある可能性が示されている。

一方、米厚生省(HHS)は、102人の子供のうち75人は親との再会が妥当と判断されたと述べた。

しかし、10日午後の時点で親と再会できたのは4人のみだと政府は明らかにした。10日中にさらに34人が再会を果たす予定だという。

12人の子供については、親がすでに送還されているためすぐには再会できない見通し。裁判所に提出された文書は、「親の居場所が特定され、親が再会を希望するなら、再会の可能性がある」と述べている。

ACLUは、刑事訴追され拘束された親についてはまだ再会させられないことを受け入れたと述べたが、多くの子供のケースで、「裁判所によって設定された明確な期限を政府が守っていない」と指摘した。

ACLUは、「(米政府の担当者は)きょう現在にいたっても、子供と再会しないまま送還された者に連絡を取ろうとさえしていないか、再会を支援していない」と批判した。

今後はどうなる?

米政府は今後、102人の子供について裁判所から新たな親子再会期限を提示される可能性が高い。

司法省は、「手順の一部は(政府が)どうすることもできない」ため、親子再会あるいは子供の移管に関する「柔軟性のある時間制限」を要請している。

裁判所への提出文書は、政府の各省庁やACLUが協力して移民収容施設にいる親たちの居場所特定に当たっていると述べている。

米ニュースサイトのデイリー・ビーストによると、米当局者は最近、テキサス州エルパソの収容施設にいる移民の母親4人に対して、子供と合流させるために必要なDNA検査の費用を負担するよう告げた。

カリフォルニア州のサンディエゴ連邦地裁は9日に行われた審問で、一部のケースで「さらに時間が必要になる」との政府の主張を受け入れた。

それでも政府は、最大2900人いる5歳から17歳の子供について、親との再会を7月26日までに実現するよう求められている。

一方でロサンゼルス連邦地裁は9日、移民の子供の収容を20日までとした1997年の「フローレス合意」の縛りをなくそうとするトランプ政権の申請を却下した。

地裁は、トランプ政権の訴えは移民政策決定の責任を裁判所に押し付けようとする「不誠実な試み」だと指摘した。

米国にはこのほか、ひとりで、あるいは知らない大人と一緒に危険な長旅をして国境を越えた移民の子供約1万人が、保護者なしで拘束されている。

(英語記事 US cannot reunite dozens of child migrants with their parents

提供元:https://www.bbc.com/japanese/44790400

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