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2018年7月12日

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ジョナサン・ユレコ BBCスポーツ(ウィンブルドン)

2018年ウィンブルドン大会 BBCの放送・報道

場所: ウィンブルドン、オールイングランド・クラブ 日程: 7月2日~15日

放送・報道: BBCテレビ, BBC iPlayer, BBC「レッドボタン」, 「コネクテッドテレビ」、ウェブサイトBBCスポーツ、アプリで生放送。ラジオ5で生放送および解説、ウェブサイトに解説記事

テニスの4大大会第3戦、ウィンブルドン選手権の第9日は11日、ロンドン郊外のオールイングランド・クラブで行われ、男子シングルス準々決勝で、前大会の優勝者で第1シードのロジャー・フェデラー(スイス)が接戦の末、第8シードのケビン・アンダーソン(南アフリカ)に逆転負けした。

優勝回数の過去最高記録9回に並ぶのを目指していたフェデラーが2セットを先取したものの、第3セットでマッチポイントを逃すと、試合の流れは逆転。アンダーソンが2-6、6-7(5-7)、7-5、6-4、13-11で4時間13分にわたった試合を制した。

昨年の全米オープンで準優勝したアンダーソンは準決勝で、ミロシュ・ラオニッチ(カナダ)を下したジョン・イスナー(米国)と対戦する。両選手ともウィンブルドンの準決勝に進出するのは初めて。

フェデラーのウィンブルドン優勝8回の記録は、男子シングルスではすでに過去最多だが、女子シングルスではマルチナ・ナブラチロワが9回優勝した記録を持つ。

フェデラーが敗退したことで、第2シードのラファエル・ナダル(スペイン)と決勝で再び対戦するという、ロマンに満ちた光景は見られなくなった。もし実現していれば、両選手が初めて対戦した記念すべき2008年決勝からちょうど10周年の日に当たるはずだった。

アンダーソンにとって一世一代の試合

来月37歳になるフェデラーは準決勝まで順調に勝ち進んだ。今大会これまでにドゥシャン・ラヨビッチ(セルビア)、ルカシュ・ラツコ(スロバキア)、ヤン=レナード・ストルフ(ドイツ)、アドリアン・マナリノ(フランス)を圧倒的な試合運びで下した。全試合の時間を合計しても6時間強しかかかっていなかった。

しかし、フェデラーも人間だということがようやく分かったのは、センターコートでの試合が常だったフェデラーがアンダーソンとコート1で対戦したときだった。フェデラーがコート1で試合をしたのは3年ぶり。

現在32歳のアンダーソンは、今大会でフェデラーからサービスゲーム(相手がサーブ権を持つゲーム)を奪った最初の対戦相手となり、その後、セットも勝ち取った。

アンダーソンは試合が進むにつれ自信を強めた様子で、冷静なプレーでフェデラーとの対戦5回目で初勝利を手にした。

ウィンブルドン優勝歴のある元テニス選手、ボリス・ベッカー氏は「彼(アンダーソン)は一世一代の試合をした」と語った。

この試合は予想外の展開やスリル、勢いの触れにあふれ、目が離せない試合となった。今大会の男子シングルスの試合としては、これまでで最も良い試合だったことは間違いない。

「フェデラー・エクスプレス」の好調なスタートは続か

フェデラーは冒頭のセットから、第1ゲームと第7ゲームでアンダーソンのサービスゲームを奪うなど、この後やってくる苦戦は予想もつかなかった。

今大会で、アンダーソンとの対戦までフェデラーのサービスゲームを奪えた選手はいなかった。アンダーソンは冒頭、レシーブ側で1ポイントだけ獲得し、第2セットの第2ゲームでブレーク(相手がサーブ権を持つ試合で勝利すること)した。

フェデラーがサービスゲームを奪われたのは、今大会これまでの85ゲームでこれが初めて。最後に起きたのは昨年のウィンブルドンの準決勝でトマーシュ・ベルディヒ(チェコ)と対戦したときだった。

第2セットでは当初、アンダーソンが3-0でリード。フェデラーは第5ゲームでアドバンテージを取るとそのままブレークし、次のゲームもキープして3-3で並んだ。第7ゲームではフェデラーが再びブレークのチャンスを得たものの、実らなかった。

第12ゲームではアンダーソンのフォアハンドが決まりかけたが、球はネットに当たってフェデラーのポイントに。フェデラーはこのゲームを取り、セットを失う危機を回避した。

タイブレークではフェデラーが流れを主導。幾度かチャンスを逃した後に第2セットをようやく奪取し、残りの4セットを勝つだけでなく、ウィンブルドンで35セット連続奪取という新たな記録を打ち立てるとみられた。

集中力を維持したアンダーソンが「特別な」勝利を獲得

アンダーソンはATPツアーに参加する選手で最もサービスの強い選手の一人だが、冒頭の2セットはリズムがつかめていなかった。ファーストサーブの成功率はわずか56%で、それからポイントを得た比率は66%だった。

しかし、その後成功率は上昇。アンダーソンのサービスエースが増えた一方で、フェデラーのミスも増え始めた。

フェデラーはフォアハンドが乱れるようになり、第3セットで5-4となった際にマッチポイントを逃したのが最も重要な場面となった。

そのポイントを奪ったアンダーソンは、勢いを最後まで維持した。

ベースライン近くから球を打ち、フェデラーを苦しめ続けたアンダーソンは、第4セットで唯一のブレークを制し、最終セットを迎えた。

フェデラーは4-3となった最終セットでブレークポイントを逃し、フォアハンドの失敗が続くようになった。一方で、アンダーソンの高い集中力が試合の勝敗を決める様相となった。

11-11となった段階でフェデラーは、試合で初めてダブルフォールトを犯し、アンダーソンは終に、南アフリカ出身の選手としては1983年のケビン・カーレン以来初となる準決勝進出を決めた。

アンダーソンは試合後に、「今回のような試合はとても特別だ。ロジャーに勝てたことは忘れないだろうが、まだ2試合あるかもしれないから」と語った。

(英語記事 Roger Federer out of Wimbledon as Kevin Anderson fights back from two sets down

提供元:https://www.bbc.com/japanese/44803993

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