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2018年7月13日

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ドナルド・トランプ米大統領は12日、北朝鮮の最高指導者、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長から受け取ったという手紙の写真をツイッターで公表した。そのなかで金委員長は二国間関係の「新しい未来」を期待すると書いているが、非核化についての言及はない。

トランプ氏は、「北朝鮮の金委員長からの、とてもすてきな手紙だ。事態はすごく前進している!」とツイートした。

https://twitter.com/realDonaldTrump/status/1017446575474335744


ツイートされた6日付の書簡で、金委員長はトランプ氏を「閣下」と呼び、「シンガポールで24日前に行った重要な初会談と、一緒に署名した共同宣言は、有意義な旅路の出発でした」と書いている。

さらに、「両国間の関係改善のため、そして共同宣言の忠実な履行のため、大統領閣下が精力的に、かつ目覚ましく尽力して下さったことを、深くありがたく思います。私と大統領閣下が朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)と米国の新しい未来を開くため、強い意志と誠実な努力と独特の取り組みを重ねていることで、確実に成果を生み出すものと確信しています」と続け、「実際的な行動を進めていく今後のプロセスの中で、大統領閣下への揺るぎない信頼と自信がさらに強まることを期待して、DPRK・米関係推進の画期的な進展が、私たちの次の会談を前に進めるはずだと私の確信をお伝えいたします」と結んだ(訳注・トランプ氏がツイートした英訳から和訳)。

シンガポールでの歴史的な会談の主要議題だった北朝鮮の非核化については、一切言及がない。

6月12日の首脳会談で、トランプ氏と金氏は、朝鮮半島の非核化を実現するという北朝鮮側の約束を含む共同声明に署名している。その約束と引き換えに米政府は、米韓合同軍事演習の中止に合意した。

しかし会談の成果については、結局のところトランプ氏は北朝鮮側から何の確約も引き出していないという批判も多くある。

北朝鮮は今月7日、マイク・ポンペオ米国務長官の訪朝後、「米側が建設的なアイデアを持ってくると予想し、何か見返りがあると思っていた」と、ポンペオ長官の訪朝が期待外れだったと示唆。「非核化の決意は(中略)揺らぐかもしれない」と警告し、「米国のギャングのような発想を反映した要求を、(北朝鮮が)忍耐を失い、受け入れざるを得なくなるだろうと考えたなら、それは米国の決定的な間違いだ」と付け加えた。

金委員長の書簡は6日付になっているため、ポンペオ長官訪朝の前に送られた可能性がある。

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この手紙とは別に、米政府は12日、国連の北朝鮮制裁決議に違反して北朝鮮に石油精製品が輸出されていると非難し、即時停止を命じるよう国連に求めた。海上で積荷を船から船へと移すいわゆる「瀬取り」と呼ばれる手法で、少なくとも89回行われたと米政府は主張したが、どの国が北朝鮮に石油精製品を提供しているかは名指ししなかった。

国連安全保障理事会は昨年12月に、北朝鮮への石油精製品輸出量を年間50万バレルに制限した。

さらに12日には別件で、朝鮮戦争で戦死した米兵の遺骨返還のため板門店で予定されていた米朝協議を、北朝鮮代表団が事前予告なく欠席した。

朝鮮戦争の米兵遺骨は

米兵の遺骨返還も米朝両首脳の合意に含まれていた。米兵約200人の遺骨が対象になっているという。

米軍はその後、返還に備えて100個の棺を軍事境界線近くに運んだと発表した。

韓国外務省は、北朝鮮が12日の返還協議を欠席した理由について、米軍の将軍が出席する高官級協議に格上げするよう北朝鮮が国連軍司令部軍事休戦委員会に要求したからだと説明した。

米国務省は後に、北朝鮮が7月15日への日程変更に合意したと明らかにした。ヘザー・ナウアート国務省報道官は、「我々は準備を整えて待機する」と述べた。

1950年~1953年の朝鮮戦争では、米兵約3万人が死亡したと推定される。さらに米兵約7700人が「戦闘中に行方不明」と分類されている。

1996年から2005年にかけて、北朝鮮で33回にわたり遺骨収集事業が行われ、約200人分の遺骨が返還された。しかし、北朝鮮の核開発進展で米朝関係が悪化したため、収集事業は中断されていた。

(英語記事 Donald Trump tweets 'very nice' letter from Kim Jong-un

提供元:https://www.bbc.com/japanese/44816627

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