マイナス金利時代を生き抜く処方箋

2018年7月18日

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鈴木健二郎 (すずき・けんじろう)

住宅ローンスペシャリスト/ モゲチェック・プラザ

株式会社MFS モーゲージスペシャリスト。大学卒業後、2007年に積水ハウス株式会社に入社し、注文住宅及び集合住宅販売の営業に従事。その後イオン銀行にて住宅ローンの販売を行い、2017年からリクルートホールディングスFinTech推進室にて各金融機関と連携したサービスを提供。2018年にMFSに入社し、住宅ローンを借りるすべての人へ最適な住宅ローンを提供するべくサービスを提供中。

住宅ローンを返してはいけない理由

 ここで今回の主題でもある住宅ローンを返してはいけない理由をご説明します。ほとんどの人がまずは35年払いという長期の借入期間を設定します。35年もあるとお子様の教育費、住宅の修繕費用、病気のための治療費などの想定外の大きな出費や不景気やリストラにより収入が減少してしまうケースなどあらゆる可能性があります。自身ではどうにもできないこともありますから恐いですよね。

 しかし、そういった可能性があることを分かっていながら、そのリスクに対して備えることが出来ていない人が多いのも事実です。万が一のことは相応にして突然訪れますので、その時に動き出しても手遅れになってしまいます。最悪、住宅ローンの返済を続けることができずせっかく手に入れたマイホームを手放すことにもなってしまいます。

 では、どのように備えておくべきかをご案内します。それは、多少の余裕があっても住宅ローンの繰り上げ返済はしないことです。一度繰り上げ返済をしたお金は何があっても戻してもらうことはできません。余裕が出た資金については、お子様が社会人になるまでか相当額の余裕が出るまではある程度自由に使えるお金として手元に置いておくことをオススメします。ローリスクの投資商品で運用するのもいいと思います。大きく利益を出すのではなく、住宅ローンの金利分だけ利回りを得られれば繰り上げ返済をしたことと同等の効果となります。

 手元に資金を置いておらず、お金が必要となってしまった場合はローンを組むこととなります。ただし、住宅ローンより条件のいいローンというのはほとんどありません。住宅購入後に掛かる主な費用としては、車の購入、リフォーム、教育費などがあります。どれも住宅ローンより金利は高く団体信用生命保険も付帯されないため同じ金額を借りる場合は、住宅ローンで借りたほうが断然お得となります。

 さらに住宅ローン以外の借り入れは住宅ローンと比べて返済期間が短いケースが大半です。返済期間が短いと月々の返済額は増えるので、家計への負担も大きくなります。金利が低く、長期に渡って返済できる住宅ローンは、最良のローンと言えるのです。住宅ローンはできるだけ長く借りて、他の費用は現金で払うというのが安定した家計収支を保つコツと言えます。

 つい先日、借換のご相談に来られたお客様が「借換をして支払額が少なくなった分、とにかく早くローンの返済を進めたい」とおっしゃっていました。早く返したい気持ちは非常によく分かります。ただし、万が一病気になった場合やリストラにあった場合などについての備えが出来ているか確認したところ「就業不能保険」や「失業保険」があるから大丈夫だという答えでした。掛金にもよりますが、「就業不能保険」だけでは生活費から住宅ローンの返済まではまかないきれません。

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