したたか者の流儀

2018年7月27日

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パスカル・ヤン (Pascal Yan)

著述家

著述家。ルーヴァン・カトリック大学大学院中退(ベルギー)。証券マンとして25年間、欧州を中心に海外で過ごす。現在の職業は都内大学教授。

 

平成16年以前の住所を証明できない

 同じ困難に遭遇した仲間がいるだろうと法務局の相談窓口に相談だ。既に疲労困憊なので出向くのはやめネットで検索した番号に電話すると予想に反して極めて親切。全て状況がわかっているとおぼしき女性が対応してくれた。

 引っ越しの連続で契約当時の住所を公式に証明するものがなく、権利証も見当たらない場合の駆け込みが多いと感じた。

 相談員は、何区の物件なのかと聞いてきた。区によっては、法務局出張所の登記官の裁量が違うので一概にはいえないとのことだ。登記官の裁量で、簡単に住所変更や抹消出来る場合もあるし、そうでもない場合もあるとのニュアンスだ。

 当方が「それって裁量行政で、廃すべきこと悪習慣でしょう」というと、相談員は「こちらでは、なんとも申し上げられませんね。ツーツーツー」

 平成16年以前の住所を証明できない。登記官の裁量の範囲が多い。「所有者不明不動産」問題の原因の一つはこれかも知れないと感じた。

 それって、行政の失敗と言おうと思ってやめた。裁量があるなら、いい子にしていると穏便に済むかもしれない。なんせ、こちらは権利証も何もかも喪失して拠り所は何もないので。
 

  
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