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2018年7月27日

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中西 享 (なかにし・とおる)

経済ジャーナリスト

1948年岡山県生まれ。72年共同通信社に入社。88年から91年までニューヨーク特派員、経済分野を取材し、編集委員を経て2010年に退社。現在は経済ジャーナリスト。著書は「ジャパンマネーの奔流―ニューヨーク・東京・ロンドンの24時間」(1987年、ダイヤモンド社)、「日本買い 外資は何を狙っているか」(2005年、PHP研究所)など。

マンション選びは自治体選び

 これからは人口減少と少子高齢化の進行により、行政サービスが行き届く自治体と、そうでない自治体が出てくる。

 「このためマンションの場所を選ぶ場合には、短期的ではなく中長期的にみて子育て、通勤などを考えてどの自治体が住みやすいかを見極める必要がある。不動産選びは自治体選びになる」

 「千葉県で言えば柏市は街造りがうまく進んでいないこともあって、地価の公示価格が前年より8.5%も下がった地点がある。一方、同じ千葉県でも流山市は『子育てするなら流山市』といったキャッチコピーにより、納税してくれる市民を増やそうとしている。子育て世帯に焦点を当て、おおたかの森駅、南流山駅の二カ所に送迎保育ステーションを設けるなど子育て世帯に優しい政策を取ったことで、人口も増えてきている。マンションを選ぶに当たっては、自治体が将来的にどのような街を造ろうとしているのかも考慮しておくべきだ」

 とアドバイスする。政府が『コンパクトシティ・プラス・ネットワーク政策』として全国の約300の自治体で行われている『立地適正化計画』にも着目している。人口が減少して行政サービスの維持が難しくなっていることから、離れて住んでいる住民を誘導して一緒に住んでもらい、上下水道の修繕やゴミの収集、医療福祉など行政が手掛けるサービスの効率を高めようというものだ。

 埼玉県毛呂山町ではこの政策を実行し、居住誘導地域で人口密度を維持しながら、(2035年頃までに)公示地価の10%以上の上昇を目指そうとしている。長嶋氏は「こうした地域であれば不動産価格の維持だけでなく上昇も見込める」と話す。地方自治体の「経営力」が問われている。

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