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2018年7月27日

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山口亮子 (やまぐち・りょうこ)

ジャーナリスト

2010年京都大学文学部卒業、2013年北京大学歴史学系大学院修了、時事通信社を経て16年よりフリージャーナリストとして活動。

(zhujia1011/Gettyimages)

 顧客満足度の高い上位物件のみを掲載する宿泊予約サイトRelux(リラックス)。運営するロコパートナーズは2013年のサービス開始から5年で、会員150万人、従業員数170人の規模まで拡大した。会員のうち2割は外国人で、そのほとんどが東アジアだ。アジアの旅行需要を積極的に切り拓き、さらなる躍進を誓っている。

ロコパートナーズ上海支社の董事長兼総経理を務める門奈剣平さん

引き算のUXで独自路線

 旅館、ホテル、民泊や町家などの宿泊施設の中でも、ハイエンドのものに特化した独自路線を行く予約サービス「Relux」。旅行事業のスタートアップであるロコパートナーズが運営している。北海道から沖縄まで全国の約1500施設が予約可能だ。各観光地に一定の選択肢があり、各エリアで上位3~5%の一番満足度の高い施設を厳選してるという。

 登録するのは同社独自の審査基準を通った施設のみ。なんでもあるという足し算の発想ではなく、限られた選択肢の中で顧客の満足を実現するという引き算の発想で勝負する。「UX(ユーザーエクスペリエンス)、UI(ユーザーインターフェース)として追求しているのは引き算」という、エッジの効いたサービスが受け、今年1月に発表された顧客満足度の調査では宿泊予約サービス内で1位を獲得した(Emotion Techと日経BPコンサルティングのオンライン旅行業界に関する共同ロイヤルティ調査)。

 国内客向けのサービスとしてスタートし、ここ3年でインバウンド需要も急速に取り込んでいる。

 「英語、中国語、韓国語など4言語に対応していて、150万人の会員のうち、2割が外国人。その7割が台湾と香港で、2割強が韓国と中国大陸です。台湾と香港をターゲットにしたマーケティングは3年前にスタートし、中国と韓国を昨年にスタートしたので、こういう比率になっています」

 東京・港区のロコパートナーズ本社のミーティングルームで門奈剣平さん(26)が説明する。中国語と日本語のバイリンガルの門奈さんは、12年に慶應義塾大学に在籍しながらインターンとして同社に加わった。当時数名だった社員は170人にまで増え、ミーティングルームからはガラス越しに多数の社員がパソコンに向かっているのが見える。門奈さんは今では同じく中国語の堪能な執行役員の河村晃平さん(33)とともに東アジアでの顧客獲得を中心的に担っている。

目指すのはアジアを代表できるレベル

 「世界で戦えるグローバルプレーヤーになろうというのは、創業当初から方針としてありました。当時はまだ、爆買いが騒がれる前で、インバウンドは世間でキーワードになっていませんでしたが。旅行というのは、国と国の隔たりの少ない領域なので、アジアを代表できるレベルを目指そうというビジョンがありました」

 昨年には中国市場にテコ入れすべく上海支社を設立。門奈さんは董事長兼総経理を務める。支社は若干26歳の門奈さんを筆頭に、4人全員が20代。常設のオフィスは置かず、カフェを拠点にクライアントの開拓や情報収集にいそしむ。中国はCtripに代表されるOTA(オンライン旅行会社)大手をはじめ、スタートアップや実店舗が仁義なき戦いを繰り広げている。そんな激戦区に長期戦を覚悟して進出した。

門奈さん(左から3人目)と河村晃平さん(同4人目)らロコパートナーズのメンバー

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