Washington Files

2018年8月6日

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斎藤 彰 (さいとう・あきら)

ジャーナリスト、元読売新聞アメリカ総局長

1966年早稲田大学卒業。68年米カリフォルニア州立大学バークレー校大学院修士課程修了、70年読売新聞入社。ワシントン常駐特派員を2度務めた後、アメリカ総局長、東京本社取締役調査研究本部長などを歴任。近著に『中国VSアメリカ』『アメリカはカムバックする!』(いずれもウェッジ)がある。

眠れぬ日々が続く

 一方これとは別に、2016年大統領選挙で一時は選対本部長としてトランプ氏と密接なつながりのあったマナフォート氏については、特別検察官チームによって告発され、7月31日、バージニア州アレキサンドリアの連邦地裁で初公判が開始されたばかりだ。

 検察側がこの日冒頭読み上げた起訴状によると、マナフォート氏はトランプ候補の選対本部長を引き受ける以前からコンサルタントとしてウクライナはじめ東欧諸国相手に暗躍、さまざまな取引で得た巨額の所得を外国の秘密口座に秘匿していた複数の容疑がかけられている。

 この裁判自体も、ロシア疑惑とは直接関係なく審理が進められることになるが、

  1. モラー特別検察官によるトランプ人脈を対象とした最初の公判である。
  2. 起訴内容から判断するかぎり数多くの決定的証拠で固められており有罪は確定的とみられる。
  3. 有罪となった場合、トランプ大統領が恩赦に踏み切るかどうか。

 などの点から、アメリカのマスコミは大きな関心を示している。

 裁判に先立ち、トランプ大統領は7月29日深夜から30日早朝にかけて、自らのツイッターで三回にわたり、

「マナフォート裁判はロシア疑惑捜査とは無関係」

「NO COLLUSION!」

「モラー特別検察官による捜査はインチキであり、ただちにやめるべきだ」

 などと書き込み、かなりいらだちを募らせていることをうかがわせた。

 8月1日にはさらに「司法長官はモラーを解任すべきだ」とも呼びかけた。ロシア疑惑に関する特別検察官はそもそも、トランプ現政権下のロッド・ローゼンシュタイン司法副長官によって設置されたものであり、大統領が同特別検査官誹謗や捜査の幕引きに言及すること自体、きわめて異例、異常であり、米議会共和党幹部の間からも、困惑の声すら聞かれる。

 大統領にとっては今夏はもちろん、今後、与党共和党の苦戦が伝えられる11月中間選挙に向けて当分「眠れぬ日々」が続くことになりそうだ。

  
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