2024年4月20日(土)

日本の新常識

2011年5月30日

 海外諸国は良くも悪くも「結果主義」の風潮が強く、日本は「過程主義」に偏りがちなのかもしれません。シビアですが、女性に限らず「企業が給料を支払っても欲しい人材」にならなければ仕事は得られないと思いますし、企業も「何のために給料を支払うのか」ということをきちんと考え、雇用しなければいけないと思うのです。ですから、制度を充実させれば女性の雇用が簡単に進むとは思えません。主婦を含めた女性たちが、自分の生き方・働き方をもっと真剣に考え、その実現のために自らの強みを発揮していかなければなりません。ビー・スタイルが派遣している主婦の方々の多くは、「家庭と仕事を両立させるために、こういう働き方がしたい」という明確な意思をもっています。企業も、よりシビアに評価して良いので、彼女達のライフスタイルに合ったワークスタイルをできるだけ多く用意してほしいと思っています。

 また、一般的に男性よりも女性の方がモノをよく買いますので、主婦が働いて消費をしてくれれば、企業が儲かり、旦那さんの給与も上がり…と、巡りめぐってそれぞれの御家庭にもメリットがあります。貯蓄があるにもかかわらず、なかなか使おうとしない団塊の世代と比較しても、主婦の雇用は、日本の内需拡大の可能性を大いに秘めているのです。

 ここ20~30年、人材派遣会社が提供するサービスは、インターネットが一部サービス機能として活用された点以外はほとんど新しいものが出てきていません。本来であれば、時代に合った形のサービスを提供していかなければならないのです。ビー・スタイルではその第1弾として、主婦の雇用創造に取り組んでいます。女性雇用の重要性は、大ヒットした新書『デフレの正体』(藻谷浩介 角川書店)でも触れられていました。今後も主婦が社会とつながっていくためのスキームづくりを実践していきたいと思います。

三原 邦彦(みはら・くにひこ)
株式会社ビー・スタイル代表取締役。1970年生まれ。40歳。芝浦工業大学工学部機械工学科卒業後、インテリジェンスに入社。エンジニア派遣事業部執行役員兼ECサーブテクノロジー社の社長などを経て、2002年7月にビー・スタイルを創業。本社は東京都新宿区。
「次世代の人材サービス企業を創る」をキーワードに、主婦に特化した人材サービスや求人サイト「しゅふJOB」など、主婦の雇用創出に力を入れている。
趣味はバイク耐久レース、バンド、スキューバダイビングなど多彩。
URL:http://www.b-style.net/

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