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2018年8月31日

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中西 享 (なかにし・とおる)

経済ジャーナリスト

1948年岡山県生まれ。72年共同通信社に入社。88年から91年までニューヨーク特派員、経済分野を取材し、編集委員を経て2010年に退社。現在は経済ジャーナリスト。著書は「ジャパンマネーの奔流―ニューヨーク・東京・ロンドンの24時間」(1987年、ダイヤモンド社)、「日本買い 外資は何を狙っているか」(2005年、PHP研究所)など。

 首都圏のマンション供給戸数で4年連続首位の実績のある住友不動産の住宅分譲事業部(マンション担当)の遠藤毅営業部長に聞いた。

 「昨年は首都圏で約7000戸を供給して少し多くなった。今後も年間5000から6000戸を供給していきたい」と述べ、消費税増税の影響については「建物への影響は1%程度なので、前回3%上がった増税と比べるとほとんど影響はないのではないか」と指摘、全体的にマンション需要は2020年の東京オリンピック以降も落ち込まないとの見通しを示した。

(taka4332/Gettyimages)

「土地がみつからない」

 「東京オリンピック関連工事も来年になれば落ち着いてくるだろうが、いまは建設資材の価格も高く、マンションの工事費用も高くなっている。中でも都心はマンションを建てる土地が見つからない。23区内の新築マンションの価格が高くなったこともあって、いまは郊外が人気になっており、ほかの開発会社も郊外の土地の仕入れに力を入れている。

 郊外は土地代が安いので、販売価格を抑えることができる。具体的には、埼玉県越谷市の駅に近くて利便性のある『シティテラス越谷レイクタウン』(497戸)は、最多価格帯が3千万円台の設定で順調に契約できている。これからは利便性の良い郊外型マンションのマーケットは広がるのではないか」と話す。

 一方で都心のマンションについて「単に居住するというのとは意味合いが違ってきている。ホテル、投資用、賃貸に回して利回りを稼ぐなど付加価値を付けることができるので、価格が下がるとは思えない」とみている。

「完成品在庫は適正水準」

遠藤 毅(えんどう・たけし)1965年生まれ。89年に住友不動産に入社、2017年10月から住宅分譲事業部営業部長。

 住友不動産のマンション建設は2010年以降に大きく伸びた。13年は新築マンション供給戸数では3位だったが、14年には上位グループの三菱地所レジデンス、三井不動産レジデンシャル、野村不動産などを抑えて首位に立ち、以後、トップをキープしている。昨年は16年より888戸多い7355戸を契約、初めて7000戸台に乗せ、2年連続で最高契約数を獲得した。

 18年3月期決算を見ると、完成して販売できていない「完成品在庫」が1129戸(内訳は1年超が495戸、1年以内が634戸)あることになっているが、この在庫水準について遠藤部長は「毎月500から600戸を販売している中では適正な水準だと思う」と述べ、一部で指摘されている値引き販売については否定した。

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