赤坂英一の野球丸

2018年9月5日

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「どこに勝っても1勝は1勝」

 そう言えば、阪神の金本知憲監督やDeNAのアレックス・ラミレス監督はよく「どこに勝っても1勝は1勝」と発言している。もちろん、広島には負けてもいいなどとは小指の先ほども考えていないだろうが。

 その点、最後までしぶとく広島に食い下がっていたのが、実は巨人だという。「ウチとの3連戦には、ほとんど菅野智之、山口俊を登板させてきた。シーズン途中に支配下登録した新外国人メルセデスが使えるとわかると、これもすぐにウチとのカードに合わせていたほどですから」と前出の広島チーム関係者は指摘した。

 この証言を巨人関係者にぶつけてみると、「それが高橋由伸監督の方針だから」という答えが返ってきた。今年で就任3年目の高橋監督はチーム内で、「強い相手にいい投手をぶつけるのは当然のこと。目標は優勝なんだから」と話しているという。「他のチームもウチと同じローテを組んでくれれば、広島をもっと苦しめられただろうし、優勝争いも面白くなったはずなんだが」と、この巨人関係者は嘆いた。

 このように見てくると、CSという制度そのものがセ・リーグ優勝争いの興味を損なっている、と言えなくもない。そうした現状を踏まえて、広島以外のセ球団からは「CSと一緒に交流戦もやめるべきではないか」という声が上がっている。

 2005年から今年まで計14シーズン続いてきた交流戦は、09年1シーズンだけを除き、13シーズンもパ・リーグが勝ち越している。広島以外のセ球団が軒並み借金生活を強いられているのも、交流戦でパのチームに大幅に負け越しているからこそだ。だから、「交流戦もCSも廃止して、昔のようにセ・リーグのチームだけで優勝を決めたほうがいい」というのである。

 本稿は決して面白半分に書いているわけではない。来年か再来年の廃止、もしくは新たな制度作りに向けて、水面下ではすでに球団間で意見調整が始まっているという話も耳にした。もっとも、果たしてこれがプロ野球にとって〝進歩〟と言えるのかどうか、いくら考えてもよくわからないのだが。

  
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